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ベビーフード、安全性が疑問視される加工デンプン使用が野放し…EUでは禁止の添加物も

文=郡司和夫/食品ジャーナリスト
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ベビーフードにも食品添加物が使用されている

 赤ちゃんに食べさせるものだからといって「安全・安心」と思い込まず、商品の原材料名表示をよく見て、どんな添加物が使われているのか確認し、慎重に商品を選ぶことが赤ちゃんの健康のためには大切です。

 日本ベビーフード協議会では、「食品添加物の使用は、必要不可欠な場合に限り、最小限の使用にとどめています。また、使用できる添加物も限定しています」として、保存料、着色料、化学調味料などの使用を禁止しています。その点は、非常に評価できます。

 しかし、どうしても納得できないのは、「加工デンプン」の使用を認めていることです。同協議会の「ベビーフード添加物リスト」(2017年1月)では増粘剤として、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酸化デンプン、ヒドロキシルプロピル化リン酸架橋デンプンの「加工デンプン」の使用をみとめているのです。

 しかし、加工デンプンは、安全性に関する情報が不足していることが大きな問題になっている添加物です。デンプンに化学薬品を加えて、その特性を失わせたり、増強させたりしている合成添加物です。EU(欧州連合)は乳幼児向け食品に、加工デンプンのひとつヒドロキシルプロピル化リン酸架橋デンプンの使用を禁止しています。「製造工程で用いられる化学物質のプロピレンオキシドは、発がん性、遺伝毒性のある物質であることは否定できない」(SCF:欧州食品科学委員会)というのが、その理由です。

 このような安全性が不確かなものを、体の発育が未熟な子どもに摂取させるのは避けるべきです。「加工デンプン」と表示してよい添加物は11品目あります。仮にヒドロキシルプロピル化リン酸架橋デンプンが使用されていても、原材料名表示には記載されません。したがって、原材料名表示に「加工デンプン」の記載があったら、子どもに摂らせるのは控えるようにしたほうが無難です。

 特に、子どもの好きなカレーは食べる頻度も量も多くなりがちなので要注意です。たとえば、日本ベビーフード協議会加盟のある食品メーカーのカレーにも加工デンプンが使われています。その商品の原材料名表示は、次の通りです。

「野菜(じゃがいも、にんじん、たまねぎ、赤ピーマン)、砂糖、牛肉、バター、かぼちゃペースト、たまねぎエキス、りんごペースト、トマトペースト、カレー粉、食塩、かつおエキス、チキンブイヨンパウダー、ウスターソース、ほうれん草ペースト、ブロッコリーペースト、しょうがペースト、にんにくペースト/増粘剤(加工デンプン)、グルコン酸Ca、ピロリン酸鉄、(一部に乳成分・小麦・牛肉・鶏肉・りんごを含む)」

 日本ベビーフード協議会加盟メーカーには、ベビーフードに加工デンプンを使わないでほしいと切に願います。

 また、液体ミルクが日本でも解禁されることになりましたが、どんな添加物が使われているのか、メーカー並びに販売者は表示されない添加物も含めすべて情報公開すべきです。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)

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