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官僚に行政文書改ざんを「できなく」させる「日本列島イントラネット化」構想

文=佃均/フリーライター
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官僚に行政文書改ざんを「できなく」させる「日本列島イントラネット化」構想の画像1「Gettyimages」より

「働き方改革」に関連する厚生労働省のデータ偽造(捏造)が発覚したのは今年2月だった。続いて3月には森友学園への国有地払い下げに関する決裁文書の改ざんで、当時財務省理財局長だった佐川宣寿国税庁長官が辞任、4月には防衛省における陸上自衛隊イラク派遣部隊日報隠蔽と、次から次に中央官庁の不祥事が表面化している。昨年6月には、加計学園が運営する岡山理科大学獣医学部をめぐる文部科学省の文書隠蔽もあった。

 衆目の一致するところ、厚労省は安倍内閣へのおもねり、財務省は安倍晋三首相夫人の昭恵氏の関与もみ消し、防衛省は「戦闘」状態を否定する政府答弁との整合確保といったことだろう。

 加計学園の問題は、国家戦略特区の認定が歪められた疑惑がいまだに根強い。政府・与党は「担当の職員が勝手にやった」と現場に責任を押し付けて幕引きにしたいのかもしれないが、それを強調すれば政府のガバナンスが問われることになる。

 さらに3月20日、年金の所得税控除にかかる「扶養親族等申告書」のデータ入力業務が無断で中国の業者に再委託されていたことが判明した。今年1月6日に年金機構は無断での再委託を把握していたが、2月15日に年金の過少給付が発覚していなければ、年金機構は隠蔽を決め込んでいた可能性がある。正しいデータを作成することより、3月26日に予定されていたマイナンバーとの情報連携を優先させたということだ。

無謬原則は都市伝説に近い

 
 原因がなんであれ、官公庁の記録(文書やデータ)が官僚の判断や組織的な工作によって偽造・捏造・改ざん・破棄できる仕組みが継続されれば、同じことが繰り返される。では、政府の文書管理はどうあるべきなのか、万能の策はないにしても、そのポイントを議論する必要はある。

「法律に基づいて仕事をするのだから、間違いはない」という無謬原則は、性善説ないし都市伝説に近い。実態は性悪説に立ったほうがよく、政策立案や施策実施のプロセスに関するメモ、FAX、メール、議事録にいたるまでをデジタルファイルとして保管・保存することを義務付けなければならないだろう。

 そこで、「システムに大変な費用がかかる」「ハードウェアが故障したらどうするのか」といった問題が出てくるが、記憶装置の容量はほとんど無限大に拡張し、1ギガバイトの価格は50円以下だ。故障したハードウェアを新品に取り替えるとコストが高くつくので、故障したままにすればいい。

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