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銀行の公平な競争を歪める、金融庁と菅官房長官の「圧力」

文=編集部

債権譲渡の可否を再調査

 ふくおかFG十八銀行は取引先に対し、「ほかの銀行に債権の一部を移せるか」について再調査を行う。取引先に迷惑をかけない範囲での債権譲渡を検討するためだ。

 2017年春、県内シェアを下げる対策として、債権の一部譲渡が可能かどうか調査したが、全額にして数百億円規模にしかならなかった。再調査でどこまで譲渡額を上積みできるかは、両行の本気度にかかっている。

 両行は5月の大型連休明けに、西日本フィナンシャルホールディングス傘下の西日本シティ銀行や長崎銀行など、長崎県下に本支店を持つ銀行のほか、長崎県内に本店を置く信用金庫、信用組合の意向を打診する。

 債権譲渡は取引先(顧客)の同意が必要なことはいうまでもないが、最終的には十八銀行と親和銀行の担当者と、顧客の信頼関係がきちんと維持されているかどうかにかかっている。「ふくおかFGと十八銀行の経営統合が表面化して以降、メインバンクと顧客の信頼関係が薄れた」(長崎県内の他の金融機関の支店長)との指摘もある。

 公取委は両行の取引先に、「統合しても、ほかに借り先はあるか」などのアンケート調査を実施したが、この結果が連休前後にも明らかになる。

「店舗を譲渡するなどの抜本策を取らない限り、公取委の判断を動かすことはできないのではないか」(九州地区の有力地銀の役員)との見方が有力だったが、ようやく当事者が危機感を強め、動き出した。

 公取委は、債権譲渡が進まなければ統合計画を差し止める「排除措置命令」に踏み切る意向を示している。金融庁の有識者会議の暴走が、「事態をより悪化させた」(九州地区の別の有力地銀の幹部)とすれば、北風戦略は完全に裏目に出たことになる。

 公取委の山田昭典事務総長は4月18日の定例記者会見で、この提言に「(若干)疑問のある内容も含まれている」と反論した。提言に「地域における地銀のシェアと金利は関連がない」ことを示すデータが盛り込まれていたが、公取委は「金利は地域特性や地銀の戦略などさまざまな要因で左右されるのに、提言のデータはそうした事情を考慮していない」として、「分析手法が妥当ではない」と指摘した。公取委の反論をきちんと報じた全国紙は、なぜか少なかった。

 公取委は、統合によるシェアの高まりを注視するという、これまでの姿勢を堅持する方針を明確にしている。現状では統合を認めない方針だ。
(文=編集部)

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