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神岡真司「幸福になるための心理学」

民事裁判の悲惨な実態と、公証人制度の闇…「公正さ」崩壊の現場

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 公証人の仕事は、公正証書を作成し、認証することです。公正証書とは、公証人だけが作成を許された、証明力と執行力がある文書です。たとえば、金銭債務に強制執行認諾条項を入れれば、裁判なしで差し押さえなどの強制執行ができます。公証人は準公務員扱いですが、その業務は「独立採算制」で、誰の監督も受けません。そのため、司法書士や弁護士が依頼人の要望実現のために、公証人が不適切な認証によって加担するというケースもあります。

 たとえば、この構図によって2000年前後には、悪辣な商工金融やサラ金業者が、債務保証の公正証書作成の委任状を捏造し、根保証契約や連帯保証人契約で、身に覚えのない人にまで次々と過大な債務を負わせて社会問題になったほどでした。

 最近では「公正証書遺言」の認証で問題が多発しています。親の介護をする人が、親が認知症になって逆らえなくなった頃合いを見計らって、司法書士や弁護士を介して自身に有利な遺言内容を作成し、他のきょうだいの相続遺産をゼロとしたり、法定遺留分しか認めないようにする行為が起こっています。親の元に公証人を出張させ、「読み聞かせ式」で公正証書遺言をつくるケースもあります。

 遺産総額が多いほど公証人の報酬も上がるので、出張に行って親が認知症の状態であろうと、打ち合わせ通りに公正証書遺言をつくってしまうこともあります。民法969条では、遺言者は口授(口頭で遺言内容を告げること)がなければ無効とされていますが、実際にはそんなことにはお構いなく、法律事務所の事務員2人を証人に仕立てて公正証書遺言をつくるという方法です。
 
 実際に親が亡くなり、その公正証書遺言の内容で親族がもめて民事訴訟で争っても、認知症の事前証明や遺言現場の録画などの証拠がなければ、遺言内容をひっくり返すことはできません。

 こうした公証人制度の問題は、すみやかに是正されるべきでしょう。
(文=神岡真司/ビジネス心理コンサルタント)

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