ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal
こうしたことが起こり得ることを意識して、上手にバランスを取りながらやっていくことを心掛けましょう。
私は昔、勤務先のメーカーを退職するときに、だいぶ年下の後輩社員から「以前、資格の取得を勧めていただいて感謝しています」と言われたことがあります。私自身はそのことをすっかり忘れていたのですが、その後輩社員があるときに話していたことを聞いて、「そういうことなら、こんな資格があるから」と業務で定期的に立ち寄っていた商工会議所で資格試験の案内をもらってきて、渡したことがあったのです。
その後輩社員は、それを受験して合格してから、勉強して資格を取るのが「自分にとって普通のこと」になったそうで、その後も別の資格を取得したり、その話をしてくれたときにも、ほかに勉強しているテーマがあったようです。そして、「勉強をするようになって、時間を大切にするようになった」とも話してくれました。
私もその当時は、昼間は働きながら、夜は勉強するという生活が普通になっていたのですが、こんなふうに勉強に取り組む人が周囲に増えるのは、好ましいことだと思ったものです。
周りから「あの人は勉強している」と言ってもらえるようになれたら嬉しいですし、そう言ってあげたくなる人が周囲に増えたら、一層喜ばしいのではないでしょうか。
(文=松崎久純/グローバル人材育成専門家、サイドマン経営代表)
●松崎久純(まつざき・ひさずみ)
企業の海外赴任者や海外拠点の現地社員を対象にグローバル人材育成を行う専門家。サイドマン経営・代表。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科非常勤講師。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ 成功するための真の要因』(光文社)、『英語で学ぶトヨタ生産方式 エッセンスとフレーズのすべて』(研究社)、『イラストで覚える生産現場の英語』(ジャパンタイムズ)など多数。