ラビリンスは発見されていた?

 このラビリンスは、具体的にハワーラのどこにあったのだろうか? ヘロドトスはラビリンスの角にピラミッドがあったと記していた。そのピラミッドとは古代エジプト第12王朝の第6代ファラオのアメンエムハト3世がつくったハワーラ・ピラミッドである。これは大きなヒントになった。

エジプト政府がひた隠す、地下迷宮の謎...スフィンクスの地下にも秘密都市が存在? の画像1ハワーラ・ピラミッド。この近くにラビリンスが眠っているとされる。

 1888年、イギリスのエジプト学者フリンダーズ・ピートリー(1853-1942)はラビリンスと思われる構造物の基礎が残されていたことを発見した。そのサイズはおよそ304×244メートルという巨大なものだった。

 発掘調査は進まずにきたが、2008年になり、そんなエリアの地下をベルギーとエジプトの研究者からなるマタハ遠征隊がスキャニング探査を行った。すると、ハワーラ・ピラミッドの南側の地下数メートルより深いところで、平均数メートル厚の垂直な壁がたくさんの密室を形成するように連結していたのが発見されたのである。ある場所では150× 100メートル、その向かい側では80×100メートルのサイズだった。

 これにより、全体のサイズと形状に関してはさらなる調査が求められるものの、実際に大規模なラビリンスが今なお地下に存在していることが示されたといえるだろう。

 この驚くべき発見は2008年秋に科学誌「NRIAG」で報告され、ベルギーのゲント大学では調査結果を報告する公開講演が行われた。だが、そのニュースはすぐに世界中に配信されることはなかった。

 というのも、まもなくしてエジプト文化省の考古最高評議会は、国家安全保障上の対応として、その結果公表を差し控えるよう研究チームに求めてきたからであ る。その後、彼らは同評議会の長を務めるザヒ・ハワス博士に辛抱強く発見の公表許可を求め、待ち続けてきたが、それが実現することはなかった。また、それ以後、ラビリンスに関する追加調査も許可されていない。

 そこで、やむなく彼らはウェブサイト「エジプトのラビリンス(Labyrinth of Egypt)」を立ち上げ、自分たちの発見を掲載することにしたのである。明らかに、ラビリンスに関する発見が外部の人間に知られることをエジプト当局は嫌っていた。まるでヘロドトスがラビリンスの地下階層に立ち入ることが許されなかったように、現在のエジプト当局も外国人によるアプローチに神経質になっているのだ。エジプト当局は何か我々の知らない秘密を隠し持っていて、ラビリンスの発見がそれとつながることを恐れているのだろうか? 

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