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どうした『コンフィデンスマン』!突然つまらなく!第1話の展開を使い回し

文=吉川織部/ドラマウォッチャー

 長澤まさみ主演の連続テレビドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)の第4話が30日に放送され、平均視聴率は前回から0.1ポイント増の9.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。視聴率が低くなりがちな連休期間中としては、健闘といえよう。

 本作は、長澤演じるダー子、東出昌大演じるボクちゃん、小日向文世演じるリチャードの3人が信用詐欺師(コンフィデンスマン)となり、欲望にまみれた人間たちから大金をだまし取るドラマ。第4話は、食品偽装に手を染めている食品会社の社長・俵屋勤(佐野史郎)がターゲットとなった。

 この俵屋という人物、親から会社を引き継いだだけの典型的な二代目社長で、社員は自分の駒と考えているような男。社員への恫喝やセクハラなど、やりたい放題に振る舞っており、誰も逆らえない。食品偽装を告発しようとした工場長も、彼の脅しに屈して表沙汰にするのを断念したほどであった。

 俵屋を標的に定めたダー子らは、彼が映画マニアであることに着目。偽の映画をでっちあげ、俵屋に出資を持ちかける作戦で金をだまし取ろうと考えた――というストーリーだった。

 残念ながら、今回は明らかに出来が悪い。俵屋は映画が好きだから架空の映画話で釣ろう、という話は単純明快ではあるが、展開を簡略化しようという脚本家の意図が見え見えで、少々冷めてしまった。そもそも、信用詐欺師と称するなら、俵屋を本業である食品の取引上の詐欺でだますべきだったのではないか。

 これがありなら、ターゲットである金持ちの趣味を変えればいくらでも話がつくれることになってしまう。競馬の馬主だから競馬にまつわる詐欺話で釣ろう、とか、骨董品集めが好きだから偽の骨董品を売り付けよう、といった具合である。「なんかここまで餌がわかりやすい奴も珍しいな」というボクちゃんの台詞が視聴者への言い訳になっているのもあまりいただけない。

 とはいえ、「架空の映画をつくり、長澤が偽女優として出演する」というプロットが先にあり、後付けでターゲットの人物像が設定されたことくらいは容易に想像できる。だから、「食品会社の社長なんだから食品取引で金をだまし取る話にすべきだ」と言ったところで仕方がないことは重々承知しているが、構成として不満だったことは述べておきたい。

 肝心のだまし方も、第1話の焼き直し。ターゲットをだますためだけに偽の店を作ったり、空港にサクラを集めて長澤演じる偽中国人女優を歓迎させたり、大勢のエキストラを集めて実際に戦闘シーンを撮影したりと、とにかく大掛かりな仕掛けを施すものばかり。予想通りの展開ばかりで、非常につまらない。

 それでも、どんなキャラクターにも成りすます長澤の化けっぷりは相変わらず圧巻だし、1本のドラマとしては十分おもしろい水準ではある。ただ、1話単体では新鮮な驚きのある「詐欺ドラマ」も、毎週見続けると慣れてしまう。また、脚本家にしても、1クール毎回違ったパターンの詐欺の手口を考えるのが相当大変であろうことは容易に想像がつく。もしかしたら今回は、高視聴率の望めない連休に合わせて一番出来の悪い回を放送した「捨て回」だったのかもしれない。

 さて、次回は長澤演じるダー子がスーパードクターに扮する。入れようと思えばいくらでも医療ドラマのパロディネタを盛り込むことができるが、どこまで思い切ってふざけてくるかに注目したい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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