ビジネスジャーナル > エンタメニュース > 山口達也、アルコール依存自覚なしか
NEW
片田珠美「精神科女医のたわごと」

山口達也さん、アルコール依存症との認識ない可能性…ジャニーズの尻拭い、問題行動を助長か

文=片田珠美/精神科医
山口達也さん、アルコール依存症との認識ない可能性…ジャニーズの尻拭い、問題行動を助長かの画像1山口達也

 女子高生への強制わいせつ容疑で警視庁に書類送検された「TOKIO」の山口達也さんの謝罪会見を見て、精神科医としての長年の臨床経験から「典型的なアルコール依存症」という印象を抱かずにはいられなかった。

 まず、お酒の関係で体を壊し、1カ月間入院していたにもかかわらず、退院したその日に飲酒して事件を起こしている。これは、飲酒への渇望が激しく、「飲みたい」という衝動を抑えられないからだろう。また、焼酎の瓶を1本空けるまで飲むのをやめられなかったのは、いったん飲み始めるとコントロールがきかなくなるためと考えられる。もしかしたら、アルコールが切れると、手指振戦(手や指のふるえ)、発汗、不安などの離脱症状が出現するのかもしれない。

 何よりも私が危惧するのは、「依存といったものはないと自分では思っています」と山口さん本人が否定していることだ。事件を起こす直前の入院についても「肝臓を休ませるための入院」と説明しており、自分がアルコール関連の問題を抱えているという認識が薄いように見受けられる。

 このように、自分自身のアルコールをめぐる問題を過小評価し、あたかも問題など存在しないかのように振る舞うことを精神医学では「否認」と呼ぶ。この「否認」は、アルコール依存症患者にしばしば認められる。

 たとえば、飲酒による失敗や問題行動を幾度も繰り返しているのに、

「酒なんて、いつでもやめられる」
「自分は、ちょっと酒好きなだけ」

などと思い込んで、現実から目を背けようとする。

 こうした現実否認の傾向が、アルコール依存症患者の場合は人一倍強い。アルコールに頼ること自体、現実逃避の一手段ともいえるので、当然なのかもしれないが、この否認が治療の妨げになりやすい。たとえ治療を受けることに同意しても、体がしんどいとか、肝臓の数値が悪いという内科的な問題のせいにして、精神科治療を拒否するからだ。

 もちろん、誰だって自分がアルコール依存症であることを認めたくない。だが、それを認めてはじめて治療を開始できるわけで、本人の否認が続く限り、依存の問題を解決するのは至難の業である。

片田珠美/精神科医

片田珠美/精神科医

広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析学的視点から分析。

Twitter:@tamamineko

山口達也さん、アルコール依存症との認識ない可能性…ジャニーズの尻拭い、問題行動を助長かのページです。ビジネスジャーナルは、エンタメ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!