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片田珠美「精神科女医のたわごと」

山口達也さん、アルコール依存症との認識ない可能性…ジャニーズの尻拭い、問題行動を助長か

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「イネイブラー」の存在


 もう1つ深刻だと思うのは、2月12日に事件を起こしてから3月末に警察のほうから連絡がくるまで山口さんが普通に仕事をしていたことだ。つまり、それまでは「事件性があることだとは思っていなかった」わけで、自分自身の振る舞いが被害者をどれだけ傷つけたのか想像さえしていなかった。もちろん、罪悪感も覚えなかっただろう。

 こうした認識の甘さを見ると、これまでも似たようなことを繰り返していたが、とくに問題にならずにすんできたのではないかと疑いたくなる。山口さんの酒をめぐるトラブルは以前から芸能関係者の間でささやかれていたとも報じられており、さまざまな問題行動を引き起こしていた可能性が高い。

 それでも表沙汰にならずにすんだのは、山口さんの所属先であるジャニーズ事務所が尻拭いをしてきたからではないか。人気グループのメンバーであるうえ、出演番組の視聴率も高いので、所属事務所がもみ消しや隠蔽に走っても不思議ではない。

 ただ、このような尻拭いは、飲酒による失敗や問題行動をかえって助長させかねない。アルコール依存症患者の周囲には、しばしば飲酒による不始末の尻拭いをする人物が存在し、「イネイブラー(enabler)」と呼ばれる。「イネイブラー」とは、直訳すると「可能にする者」という意味で、「支え手」と訳されることが多い。

「イネイブラー」が依存の問題を解決する「支え手」になれば、治療にとってプラスだが、実態は真逆である。どうせ「イネイブラー」が何とかしてくれるという甘い認識が芽生えるのか、問題行動に歯止めがかかるどころか、むしろ拍車がかかる。

 山口さんの場合も、ジャニーズ事務所が「イネイブラー」だったからこそ、これまで表沙汰にならずにすんだのだろうが、それがかえって問題を深刻化させたことは否定しがたい。

 謝罪会見後に山口さんが再入院したことをジャニーズ事務所は明らかにし、その理由について「根本的解決のため」と説明した。じつに賢明な判断だと思う。これを機会に、「自分はアルコール依存症だ」という自覚、つまり「病識」を持って、じっくり治療に取り組んでいただきたい。

 ただ、それだけでは十分ではない。「根本的解決のため」には、ジャニーズ事務所が「イネイブラー」の役割を果たすことをやめるべきである。
(文=片田珠美/精神科医)

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