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東京・杉並区、待機児童ゼロを達成できた理由…今年度も保育所定員1千人増へ

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 そうした背景から、杉並区は緊急事態宣言に基づいて、11カ所の保育所を追加整備することを決定。公園や学校隣接地、区有施設などに保育所を併設した。

 しかし、区立公園は敷地面積が小さい。そこに保育所を開設すれば、日常的に公園を利用してきた近隣住民はこれまでのように公園を使えなくなる。そのため、公園内に保育所を開設することに反対する地域住民も少なくなかった。区と住民の議論は平行線をたどり、半ば区が押し切るかたちで公園内に保育所が開設された。

「開設までに紛糾した保育所は一部であったものの、おおむね保育所の開設はスムーズに進みました。保育所整備を急ピッチで進めたこともあり、今年度における杉並区の保育所数は124まで増加しています。定員数も1万640人にまで拡大しました。認可保育所における入所内定率は74パーセントまで向上し、認可保育所に預けることができなくても認証保育所などに入園が叶い、待機児童はゼロを実現しています」(同)

 待機児童ゼロは、行政にとってひとつの目標といっていい。保育所を急ピッチで整備したことにより、杉並区はそれを達成した。

今後も認可保育所の整備を加速

 しかし、これで一件落着とならない。杉並区は、認可保育所の整備を今後も加速していく方針を打ち出している。その理由は、来年以降も未就学児童の数が増加傾向にあることが挙げられるが、ほかにも理由がある。

 もともと保育所に預ける際の保育料は、世帯収入や子供の数といった家庭環境、また自治体によっても異なるが、認可保育所は圧倒的に保育料が安く設定されている。その一方、認証保育所などの保育料は高い。職場復帰のために認証保育所にいったん子供を預けたものの、保育料の安い認可保育所に空きが出たら移りたいと希望する保護者は絶えない。

 また、なんとか認可保育所に入園できても、家から遠かったり駅までの生活動線とは反対側にあったりといった理由で、もっと利便性のいい保育所に転園を希望する場合もある。

「そうした区民の多様な保育ニーズに応えるべく、今年度も引き続き1000人規模の定員増を目指して保育所の整備を進めています。また、保育所数や定員増といったハード面だけではなく、保育士の質を向上するべく研修の拡充、園長経験者などが施設を巡回指導するといったソフト面を充実することにも取り組んでいます」(同)

 都心回帰現象は今後も続くと予測されている。それだけに、東京23区では待機児童ゼロを達成しても、安穏とはしていられない。杉並区も引き続き保育所の整備に取り組むことを表明している。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)

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