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『コンフィデンスマン』第5話が最高傑作で視聴率連続上昇!『ドクターX』パロディに大爆笑!

文=吉川織部/ドラマウォッチャー

 長澤まさみ主演の連続テレビドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)の第5話が7日に放送され、視聴率は前回から0.1ポイント増の9.3%(関東地区平均、ビデオリサーチ調べ)だったことがわかった。微増ながら、これで3週連続視聴率を伸ばしている。

 本作は、長澤演じるダー子、東出昌大演じるボクちゃん、小日向文世演じるリチャードの3人が信用詐欺師(コンフィデンスマン)となり、欲望にまみれた人間から大金をだまし取る1話完結ドラマ。第5話は、汚い手を使って息子をスーパードクターに仕立て上げ、他の医師たちを薄給でこき使う病院の理事長・野々宮ナンシー(かたせ梨乃)がターゲットとなった。

 細かいストーリーは省略して結論から言うが、この第5話はこれまでの本作のなかで最高傑作である。ともすれば、医療ドラマのパロディネタに終始する“おふざけ路線”だけで終わってしまいそうなところをグッと踏みとどまり、教訓すら得られそうな「いい話」にまとめ上げた古沢良太の脚本力は素晴らしいの一言だ。

 かといって「パロディがあるのでは」との視聴者の期待をスカした感じで裏切るわけでもなく、白衣の前を開けて病院の廊下を闊歩する長澤の映像に『ドクターX』(テレビ朝日系)のテーマ曲をかぶせたり、手術着に身を包んだ長澤に「私、失敗しない気がする」と言わせたりと、キッチリ視聴者を笑わせてくれるのもうれしい。

 また、今回の舞台となった野々宮総合病院の理事長室とおぼしき部屋に、第3話で長澤扮するダー子が描いた、とんでもなく下手くそな絵が飾られていたのも笑いのツボを押さえている。あの絵は、詐欺師仲間の五十嵐(小手伸也)が「もったいないから」とネットオークションに出品したところなぜかどんどん値段が吊り上がったという謎の代物だ。見続けている視聴者への小ネタになっているだけでなく、ナンシーがだまされやすい人物であることや、金に糸目をつけない人物であることをも暗示しており、なかなか深い。

 中盤からどんどん荒唐無稽な展開になっていき、どう収拾をつけるのかと心配になったところできれいにネタバラシする展開も見事。「いくらふざけたドラマだからといって、それはないだろう」とツッコミを入れていた視聴者の裏をかく仕掛けが施されていた。

 ネタバラシの際に、ひょっこりと山田孝之が登場したのも大反響を呼んだ。ヒゲ面で頭にタオルを巻き、人懐こい笑顔を浮かべるさまは、彼が出演する缶コーヒー「ジョージア」のCMをほうふつとさせる。役名も「ジョージ松原」。「ジョージじゃなくてジョージアだろ!」とテレビに向かって叫んだ視聴者も少なくないはずだ。

 山田扮するジョージに「僕は仕事は選ばない主義だから」との台詞を言わせたのもなかなか味わい深い。山田といえば、『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレビ東京系)をはじめ、どんなヘンテコな役や仕事も大まじめに取り組むことでよく知られている。そもそも、ドラマのラスト近くにチョイ役で登場している今まさにこの時が「仕事を選ばない主義」の最たるものであり、かなり象徴的な台詞である。視聴者の気持ちを代弁するかのように、ボクちゃんが「あんたは絶対に仕事選んだほうがいい」と説得していたのもかなり笑えた。

 ダー子たちは3億円あまりの大金を手にし、期待と重圧に押しつぶされそうになっていたナンシーの息子・新琉(永井大)は医者を辞めて自分の好きな道を歩み、だまされたことに気付いたナンシーも「まんとやられた」といった表情を浮かべて豪快に笑い飛ばした――という結末も気持ちがいい。悪者がやり込められる話も爽快感があって良いが、こんなファンタジーもたまにはいい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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