稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人が出演した映画『クソ野郎と美しき世界』が4月6日から19日まで全国86館で上映され、観客動員数が累計28万人に達した。目標にした15万人の約2倍となる数字に、香取はツイッター上で「ありがとう」を連呼して感謝を伝えた。映画の公開に際して、3人はラジオや雑誌などには出演したものの、地上波テレビで宣伝する機会はほぼなかった。
「昼間や夕方のラジオ番組など、SMAP時代では考えられない露出の仕方をしていました。ファンのなかには『格が下がる』などの声も少しありますが、どんなメディアであれ、出て行って忘れられないことが大事。3人にとって、今が踏ん張り時です」(芸能事務所関係者)
SMAPの解散から1年以上が過ぎ、香取と草なぎは地上波のレギュラー番組がなくなってしまった。唯一ある稲垣の『ゴロウ・デラックス』(TBS系)も深夜帯。ワイドショーや情報番組でも『クソ野郎と美しき世界』のニュースはほとんど黙殺された。
「もしSMAPだったら、この期間にテレビをジャックするほど出演しまくったでしょう。局のジャニーズ事務所に対する配慮がうかがえます。これ以上視聴率を下げたくないテレビ局としては、それなりに数字を計算できるジャニーズは大事な取引先です」(テレビ局関係者)
日本テレビはTOKIO出演の『ザ!鉄腕!DASH!!』、フジテレビは嵐出演の『VS嵐』が局の看板番組になっており、テレビ朝日は1月期の木村拓哉主演ドラマ『BG~身辺警護人~』で高視聴率を取った。中居正広は『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)をはじめ、各局にMC番組を持っている。こうした状況のなかで、ジャニーズ事務所を退所した稲垣、草なぎ、香取の3人が割って入ることは難しいようだ。
「ジャニーズの機嫌を損ねないために、退所組を積極的に扱うのは憚られる行為なのでしょう。情報番組でも扱わないとなると、局全体の意向と視聴者に思われても仕方ない。現状維持は退化という言葉もあるように、退所組をあからさまに排除しているように感じさせる局の姿勢は、視聴者のテレビ離れを助長させるのではないでしょうか」(同)
もし中居の番組に3人が出演したら、高視聴率は間違いないように思われるが――。
「制作現場のスタッフのなかには、ジャニーズに忖度してばかりでいいのかと感じている人もたくさんいますよ。でも、退所組を使う案を出したところで、『どうやって実現するんだ?』と却下されておしまいでしょう。キャスティングに関しては、上層部が大枠を決めることも多々あるので、現場ではどうにもできないというのが本音です」(制作スタッフ)
テレビ局の忖度はいつまで続くのか。
(文=編集部)