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大戸屋、魅力消失で客離れ深刻…安い&白米お替り自由の「やよい軒」に客流出か

取材・文=A4studio
大戸屋、魅力消失で客離れ深刻…安い&白米お替り自由の「やよい軒」に客流出かの画像1大戸屋の店舗(「Wikipedia」より/Asanagi)

 創業者が急逝したことにより、2016年に勃発した“お家騒動”が話題を集めた定食屋チェーン店「大戸屋」。新たに就任した社長のもとに創業者の妻が遺骨を持って乗り込むなど、昼ドラさながらの泥沼展開が記憶に新しい。現在も進展が注目される“お家騒動”が悩ましい大戸屋だが、深刻な客離れにも頭を抱えている。

 大戸屋ホールディングス(HD)の発表によると、既存店客数が2015年3月期は前年同期比1.3%減、16年3月期は同3.5%減、17年3月期は同2.4%減、18年3月期は同0.3%減と4年連続で前年割れとなっており、集客力低下は明らかなのだ。

 ただ、「東新宿食堂」など地域名を冠した店舗名でチェーン展開している、フジオフードシステム運営の「まいどおおきに食堂」も、18年3月時点で既存店客数が11カ月連続で前年比割れとなっている。

 大戸屋だけでなく、定食屋チェーン店が軒並み苦戦しているということなのだろうか? フードアナリストとしてさまざまなメディアで活躍する重盛高雄氏に話を聞いた。

やよい軒」と「まいどおおきに食堂」が持つ独自の強み

「大戸屋もまいどおおきに食堂も集客力の面で苦戦しているようですが、プレナス運営の『やよい軒』は、13年4月から丸5年間も全店売上高が前年比増となっています。決して定食屋業界全体が落ち込んでいるわけではないでしょう。

 やよい軒の場合、600円台から1000円台の幅広い価格帯の定食メニューがあり、白米のおかわりも自由ですから、そのときのお財布事情や体調に合わせてメニューを選ぶことができます。特に白米のおかわりサービスに関しては、1日3食食べない人が多い昨今で、それぞれのタイミングに合わせて“食べる量を調節できる”ということですので、うまく生活の多様化に適応している印象を受けます」(重盛氏)

 まいどおおきに食堂は現在は客数減に陥っているが、不安要素はさほど多くないという。

「まいどおおきに食堂は、一品ずつおかずを選び、自分でトレイに乗せていくスタイルです。主菜や小鉢、サラダなどのなかでも豊富なメニュー数があり、自分好みのオリジナル定食を食べることができる点で他チェーンとの差別化を図っています。そして、食欲や値段を考慮しながら“自分で定食をカスタマイズした”というちょっとした達成感が、消費者の満足度にもつながっているのではないでしょうか。

 そして、やよい軒とまいどおおきに食堂の共通点として、入店しやすい外観や、メニューの多さと価格帯の広さが挙げられます。このような消費者の選択肢の広がりが、サラリーマンだけではなく、広い世代に受け入れられたポイントになっているのではないでしょうか」(同)

 まいどおおきに食堂は「常時60品目の品揃え」を掲げ、膨大なおかず同士の組み合わせが存在するため、常連客も飽きさせないビジネスモデルとなっているようだ。

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