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堀田秀吾「ストレス社会を科学的に元気に生き抜く方法」

部下や子どもの「結果」を褒めてはいけない? 正しい褒め方、間違った褒め方

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 このように、その子どもの人格ではなく、努力した過程を褒めると、子どもは努力することに喜びを感じ、挑戦し続けるようになるのです。これは、大人であっても同じことがいえます。

 ですから、相手にポジティブな評価をする際には、仕事の結果ではなく、その人の仕事に対する姿勢や努力の過程に着目して褒めてあげましょう。

相手によって褒め方を変える

 また、褒め言葉の文言については、オランダのユトレヒト大学のブルンメルマンらの研究が参考になります。

 この実験では、240人の子供たちを対象に、ゴッホの絵を真似して描かせ、プロの画家役の人物に評価してもらいました。そして、評価の後、子供たちは、4枚の難しい絵画と4枚の簡単な絵画を見せられ、それらのいくつかを模写するように言われました。

 大げさに褒めるパターン(「信じられないくらい美しい絵だ!」)、普通に褒めるパターン(「美しい絵だ!」)、まったく褒めないパターンのうち、自己評価の低い子供たちは大げさに褒められると、無難に簡単な絵を選ぶようになり、自己評価の高い子どもたちは、難しい絵を選ぶようになったそうです。

 ちなみに、同じ研究チームの調査で、褒める側は、自己肯定感の低い子供のほうを大げさに褒める傾向があったそうです。効果としては、自己肯定感の低い子供のほうを大げさに褒めても、自己肯定感が高い子供ほどには効果がないことを考えると、好ましい傾向とはいえないかもしれません。
 
 つまり、大げさに褒めるにしても、相手がどういうタイプの人間かを見定めながら褒め方を変えていくことが大事ということです。

情けは人の為ならず

 では、このように周りを元気にしても、自分が損するだけじゃないかと思うかもしれませんが、当然、自分自身にも良い効果があります。
 
 カリフォルニア大学リバーサイド校のルボミルスキーらの研究によると、学生たちに週に5回、他者が喜んでくれそうなこと(例えば、献血、論文を手伝う、感謝の手紙を書く等)を1週間に5回、6週間にわたってさせたところ、(しないグループよりも)自分の幸福度が高まったそうです。情けは人の為ならずということですね。ただ、1日に数回まとめてするほうが、1日1回行うよりも効果的だったそうです。

 また、「好意の返報性」という原理もあります。相手の態度が好意的だと、自分の態度も相手に対して好意的に返したくなるという人間の心理です。ですから、相手に対してポジティブな評価をすると、好意の返報性が働き、相手も自分に対してポジティブな評価をしやすくなるのです。

 このように、相手のいいところを見つけて褒めてあげると、相手もハッピーでやる気が出るだけでなく、自分もハッピーになれて、好意的に接してもらえるなんて、良いことずくめなわけですから、やらない手はありません。

 とはいえ、やっぱり人間関係はなんといっても「真心」が大事。うわべだけの、「下心」のことばではなく、相手のことを想った、「真心」のこもったことばや態度で相手に接していかないとうまくいきません。これらの実験をきっかけにして、相手に真心で接して、良好な人間関係を築いていってくださいね。
(文=堀田秀吾/明治大学法学部教授)

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