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ヤマト、経営陣の英断で増益…「物流なくしてアマゾンらネット企業の成長なし」を立証

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ヤマト運輸の配送車両(「Wikipedia」より/Tennen-Gas)

 多くの経営者が頭を抱える問題がある。それは人手不足だ。サービス業を中心に必要な人手が確保できず、倒産を余儀なくされる中小企業は増加傾向にある。正社員の給与水準とは対照的に、パート・アルバイトなどの平均時給は増加している。それでも十分な人手確保は難しいケースが多い。企業経営にとって、人手不足問題が深刻化するなかで業績を拡大させることは悩ましい課題だ。

 宅配便最大手のヤマトホールディングス(ヤマト)は、そうした問題に宅配単価の引き上げで対処している。それによって、足許の業績拡大がもたらされている。需要が変わらないと考えられる場合、供給価格を引き上げ、収益の増大を目指す判断は合理的といえる。ただ、長らくわが国の需要が低迷してきた分、その決断は簡単ではなかっただろう。その意思決定はまさに、頭ではわかっていても、なかなかできるものではない。その経営判断の重要なポイントを考察する。

需要抑制策で生産性向上をめざすヤマト


 ヤマトが発表した第3四半期決算では、前年同期比ベースで取り扱う宅急便数が4.5%減少した。一方、単価は11.6%上昇した。これは、昨年10月に実施した単価の引き上げと、法人顧客に出荷の調整や再配達の削減などを要請したことの成果である。それは、ヤマト経営陣の英断によってもたらされたものといえるだろう。

 英断と評価すべき一つ目の理由は、同社が需要の抑制に踏み込むことで、生産性の向上に向けた明確なコミットメントを示したことだ。取り扱う荷物の数が減っても単価が上昇しないのであれば、従業員一人あたりが生み出す収益(生産性)は高まらない。その状況が続くと、企業の経営基盤を強化することは難しくなるだろう。

 2017年までの10年間でヤマトの宅急便数は60%増加し、18.7億個に達した。その背景には、アマゾンを筆頭に、店舗に行かずとも欲しいモノやサービスの入手を可能とするテクノロジーが社会に浸透してきたことが大きい。宅急便の数量が増加する一方、ヤマトは単価を維持し、再配達などのサービス内容も保ってきた。その背景には、料金を上げずにより良いサービスを提供することが自社の使命という理念・経営哲学があったはずだ。インターネット経由での取引が増加し荷物が増加=物流への需要が拡大する一方、同社はパートタイマーの時給引き上げなどを通して人手不足の問題が顕在化することを回避しようとしてきた。

 ただ、その対応にも限界がある。人手の確保が難しいなかで需要の取りこぼしを防ごうとすればするほど、現場は疲弊する。そうなれば、労働環境の悪化から従業員の士気は下がり、組織運営にも問題が生じるだろう。

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