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熊谷修「間違いだらけの健康づくり」

ヘルシーフード主体の食事は老化を早める

文=熊谷修/東京都健康長寿医療センター研究所協力研究員、学術博士

ヘルシーフード以外の食品群」のすすめ

 さて、手っ取り早く多様性得点を高くする手段を紹介しよう。地域で暮らすシニアの40%程度が、食品摂取の多様性得点が3点である。体・知・情がとても早く衰えるリスクが高いシニアが意外に多いことが明らかになっている。このハイリスクのシニアの食事の特徴を知ることは、多様性を改善する手段を探るのに役立つ。そこで、多様性を評価するための10の食品群の中で、ほぼ毎日食べられている食品群とそうでない食品群をランキングにしてみることにした。

(1)多様性得点が高いシニアでも「ほぼ毎日」食べられにくい食品群ランキング
1位:芋類、2位:肉類、3位:海藻類

(2)多様性得点が低いシニアでも「ほぼ毎日」食べられている食品群ランキング
1位:緑黄色野菜、2位:大豆製品、3位:魚介類

 約1万7000名の地域シニアを対象にした調査から、このような結果が出た。前回、多様性得点の平均値は約4点であることをお話しした。つまり、この平均点4点のうち3点は緑黄色野菜、大豆製品、魚介類を毎日食べることではじき出されていることがわかる。このデータは、ヘルシーフードばかりで食事を組み立てていると老化が早く進むことを教えてくれている。シニアに対する「ヘルシーフード以外の食品群」のすすめである。さらに、多様性得点をかなり高いレベルにするには、芋類、肉類、海藻類を毎日食べる習慣をつけなければならない。

 健康志向の強い老若男女にとって食品摂取の多様性得点を高めるのは、意外に難しいのである。
(文=熊谷修/東京都健康長寿医療センター研究所協力研究員、学術博士)

熊谷修/博士(学術)、一般社団法人全国食支援活動協力会理事

熊谷修/博士(学術)、一般社団法人全国食支援活動協力会理事

1956年宮崎県生まれ。人間総合科学大学教授。学術博士。1979年東京農業大学卒業。地域住民の生活習慣病予防対策の研究・実践活動を経て、高齢社会の健康施策の開発のため東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)へ。わが国最初の「老化を遅らせる食生活指針」を発表し、シニアの栄養改善の科学的意義を解明。介護予防のための栄養改善プログラムの第一人者である。東京都健康長寿医療センター研究所協力研究員、介護予防市町村モデル事業支援委員会委員を歴任

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