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高橋篤史「経済禁忌録」

不動産業界を席巻した旧ダヴィンチ・金子元社長が復活→直後に裁判で想定外の敗訴

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 旧ロジコムは地方の物流施設や商業施設を主戦場とする不動産会社で、05年に大証ヘラクレス(現ジャスダック)に上場。実質オーナー格の本荘良一氏はかつて仕手銘柄で知られたヒューネット(現RISE)で代表取締役を務めたこともある。17年3月期の売上高は69億円で総資産は282億円。全盛期のダヴィンチに比べれば数十分の一の規模の会社だが、上場会社に変わりはない。

 そして今年6月末の株主総会を経て、金子氏はロジコム改めLCホールディングスの代表取締役に満を持して就任する。会社側のリリースによれば出口戦略の強化をその手腕に託すためという。

 LCホールディングスは昨年9月に病院不動産を組み込む新たな不動産ファンドを子会社を通じ組成、今年1月には静岡県沼津市の物件など病院不動産9物件などの売買契約をまとめた。会社側はファンドをJ‐REIT(上場不動産投資信託)市場に上場させると鼻息が荒かった。が、ローン調達がうまく行かず、3月末の運用開始予定を延期。そのあたりも金子氏の剛腕で打開したいものと見られる。

 代表取締役就任に先立って金子氏は4月3日付でLCホールディングスの顧問に就いた。が、その8日後、東京高裁で思わぬ逆転敗訴判決を食らうこととなる。裁判を起こしていたのは九州石油業厚生年金基金。不動産業界で暴れ回っていたダヴィンチにとって、大のお得意先ともいえる機関投資家だった。その裁判記録を紐解くと、当時のダヴィンチの手法が垣間見える。

杉山年金運用研究所


 九州石油業厚生年金基金は九州のガソリンスタンド企業が集まった厚生年金基金で、理事長の出光芳秀氏は出光興産創業家の縁戚関係にあたる。そんな基金がダヴィンチに集中投資を行い結果的に資産の半分近くを失ったのは、出光理事長と高校で同級生だった野村證券OBをアドバイザーに迎えたことがきっかけだった。

野村OBでその後にSCSK企業年金基金で年金実務の経験もあった杉山弘實氏が独立して東京都内で「杉山年金運用研究所」を始めたのは00年。2年後、同社は九州石油業厚生年金基金とコンサルティング契約を結んだ。当初の年間報酬額はわずか50万円だった。

 杉山氏はさっそく基金の資産の4割近くを占めていた国内債券を売却して、J‐REITやタワー投資顧問への投資にスイッチさせるなどした。基金で実務を担う常務理事には社会保険庁OBが天下りしていたが、しょせんは投資の素人。杉山氏の発言力はみるみるうちに増していくこととなる。

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