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宮永博史「世界一わかりやすいビジネスの教科書」

ライザップとアマゾン、実は意外に気づかれていないマーケティング戦略

文=宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営>専攻教授
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「ターゲティングのジレンマ」を解決する、つまり、ターゲット・セグメントを絞って製品やサービスを尖らせつつ、同時に、市場を広げるにはどうしたらよいだろうか。そのコツを実際のケースから考えてみよう。

RIZAPのターゲット・セグメントはどこか

 今やRIZAP(ライザップ)を知らない人はまずいないだろう。ビフォアー・アフターでダイエット効果がはっきりとわかる独特のCMを打ち、「結果にコミットする」というメッセージを明確に伝えている。

 そのRIZAPが「ターゲットとしているセグメントはどこか?」と問われれば、「体重を落とし、体形を整えたい中高年」ということになるだろう。「中高年」としたのは、体形が崩れる年齢ということもあるが、RIZAPの価格に耐えうる年代という意味でもある。

 この解釈は間違いではない。しかし、RIZAPはダイエット市場での成功をスタートに、英会話市場やゴルフ市場にも進出している。これは、ターゲット・セグメントを変えたということだろうか。

 実は、RIZAPのターゲット・セグメントが「ダイエット市場」ではなく「三日坊主市場」なのだと解釈すれば、ターゲット・セグメントは最初からまったく変わっていないということに気づく。ここに、冒頭に掲げた「ターゲティングのジレンマ」を解決する糸口がある。

ターゲッティングの攻め方

 RIZAPが最初から「三日坊主市場」をターゲットにしていたかどうかは別として、「ターゲティングのジレンマ」を解決するには、いかに「三日坊主市場」というセグメントに行き着くかだ。

 この場合、2通りの行き方がある。1つ目は、最初は「ダイエット市場」をターゲットにしていたが、やっているうちに「三日坊主市場」というセグメントに気づくケース。もう1つは、最初から「3日坊主市場」をターゲットにし、それに該当する具体的なセグメントをリストアップして、攻める順番を決めていくタイプだ。

 RIZAPがどちらのタイプかはわからないが、日本企業に多いのが前者で、米国企業に多いのが後者である。たとえば、後者の代表例がアマゾンだ。

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