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岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」

子宮頸がんワクチン反対派の大学教授、副作用薬メーカーから多額寄付受領

文=岡田正彦/新潟大学名誉教授

 日本の製薬会社が開発したある糖尿病治療薬に、副作用で膀胱がんが増えるとの指摘が海外でなされたことがあります。その指摘に対し、長期間にわたって観察を続けたところ膀胱がんは増えていなかった、と結論した論文が発表されました【注1】。その著者として5人の名前が載っているのですが、うち筆頭著者は製薬会社から講演料と旅費の支給を受け、また他の4人は全員が同社の現社員か元社員である、と論文の最後に記されていました。

 世界各国で発行されている医学専門誌の投稿規定によれば、企業との間で金銭授受があっても、論文内に明記しさえすればよいことになっていますので、どの論文も国際的な規範に従って正しい処理がなされていたことになります。しかし、明記さえすれば済む話なのでしょうか。

 子宮頸がんワクチンの副作用は本物か、というテーマを追いかけた良書があります【注2】。それによると、ワクチン接種に反対している人たちの主張のひとつは、接種を勧める研究者がメーカーと癒着しているからだそうです。ところが、反対派の中心になっているある大学教授が、ワクチンの副作用に使う薬のメーカーから多額の寄付を受けていた事実も暴露されました。利益相反が世の中の混乱に拍車をかけているのです。

 英国のケンブリッジ大学が編纂している英英辞典によれば、COI(利益相反)とは「結果について忖度が働き、フェアな判断ができない状態」だそうです。何やら、今世間を騒がせているさまざまなドタバタ劇にも関係ありそうですね。
(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)

参考文献
【注1】Erdmann E, et al., Observational follow-up of the PROactive study: a 6-year update. Diabetes Obes Metab 16: 63-74, 2014.
【注2】村中璃子『10万個の子宮あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか』, 平凡社, 2018.

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23:30更新
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