NEW

「安値で買い叩く」ブックオフ、経営危機に…「ヤフオクのほうが高く売れる」浸透で店に行く意味消失

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ネットを介した個人売買が普及し苦戦

 一方、「ヤフオク!」や「メルカリ」など、インターネットを介したオークション、フリーマケットのサービスが近年発達しているが、こういったサービスでは買い手が主に個人のため、欲しい商品であれば多少高い金額を提示してでも手に入れようとする傾向があり、思わぬ高値で売れることも少なくない。

 このようなサービスが普及したことで、「ブックオフで売るよりもネットを利用して個人に売ったほうが高く売れる」という認識が広まった。その結果、ブックオフで本を売っていた人がネット売買市場に流れていき、ブックオフの仕入高の減少につながったといえるだろう。

 これは、本以外の商材にも当てはまる。ブックオフはCDやDVD、ゲーム、家電、アパレル、ブランド品など多種多様な商材を取り扱っているが、物を売りたい人が個人間のEC市場に流れたことで、以前と比べて店舗での買い取りが難しくなっているといえる。

 買い取りが難しくなっているため、品ぞろえにも影響が出ている。魅力的な物を買い取ることが難しくなり、品ぞろえの充実度が低下し、それが客離れにつながっている側面もある。

 個人間のEC(電子商取引)市場の発達は買い取り面だけでなく、販売面でも苦戦を強いられる要因となっている。わざわざブックオフに足を運ばなくても物が買えてしまうからだ。ネット通販のアマゾンがさまざまな小売業を駆逐しているように、ヤフオクやメルカリなども小売業を駆逐し始めている。その矢面に立たされているのが、中古販売店でありブックオフといえるだろう。

 個人間のEC市場の成長はすさまじい勢いだ。経済産業省によると、17年のネットオークションの市場規模は前年比3.2%増の1兆1200億円で、そのうちの個人間取引は3.2%増の3569億円だった。また、フリマアプリの市場規模は58.4%増の4835億円で、フリマアプリが初めて登場した12年から、わずか5年で5000億円弱の巨大市場に成長している。

 そういった状況もあり、ブックオフはオンライン事業を強化している。自社サイトに加え、「楽天市場」やヤフオクなどに出品している。14年4月にヤフオクを運営するヤフーと資本業務提携を結び、15年12月にはヤフオク上に「ブックオフオンラインヤフオク!店」を開設。ブックオフの店舗在庫をヤフオク上で販売し、出品数を大幅に増やしていった。17年10月にはアマゾンの仮想商店街型サイト「アマゾンマーケットプレイス」に出店し、販売を始めている。

 ただ、18年3月期のオンライン事業の売上高は前年比5.9%減の61.4億円と、大幅な減収となった。本の販売が落ち込んだことが大きく影響したという。営業利益は43.8%減の2.3億円だった。

 総合買い取りのハグオール事業も苦戦が続いている。東京23区を中心とした訪問買い取りサービスに加え、複数の百貨店内で買い取り相談窓口を運営するなど、積極的な買い取り策を実施したが、催事販売「東京古着」を撤退したことなどが影響し、売上高は7.7%減の20.7億円、営業損益が8.9億の赤字(前期は6.8億円の赤字)となった。

 八方塞がりの感があるブックオフ。業績改善の道は平坦ではなさそうだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。 

「安値で買い叩く」ブックオフ、経営危機に…「ヤフオクのほうが高く売れる」浸透で店に行く意味消失のページです。ビジネスジャーナルは、企業・業界、ネットオークションブックオフメルカリヤフオク!の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

BJ おすすめ記事