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東芝、破綻危機→一転し「空前の過去最高益」の内実

文=編集部
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 今後の焦点は、英国で建設を目指す原子力発電プロジェクト。安全基準の強化で総事業費は3兆円超に膨らむ。事業継続に向けて英国政府と協議しており、5月28日の臨時取締役会で英政府との協議を継続する方針を確認した。英国が2兆円強を融資する異例の支援体制を約束したが、英国議会に根強い反対論がある。5月3日、中西宏明会長が訪英してテリーザ・メイ首相と会談し、支援を要請したのが実った。残る1兆円のうち、政府系金融機関や電力各社がどの程度負担してくれるかにかかる。日立が1兆円を負担するとなると、相当危険だ。工事遅延などで巨額損失が発生するのは、東芝・米WHを見るまでもない。

 日立は今後、原発事故など不測の事態が起きた際の損害賠償責任について、明確化するよう求める。早ければ6月中の覚書締結を目指すとしているが、一部の社外取締役は将来の事業リスクを指摘。条件交渉次第では、最終契約をせず撤退する選択肢を残した。

 英原発計画は事業費の枠組みが固まれば、建設後の電力の買い取り価格に焦点が移る。現時点では、英政府が容認できるとしている水準は、日立の要求を2割下回っている。英政府は世論の反発を懸念して引き上げに難色を示しており、原発事業全体で採算を確保できるメドは立っていない。日立は“撤退カード”をちらつかせながら交渉を加速させるが、それがどこまで有効性を持つかは疑問がある。原子力プラント輸出を最重要政策と位置づける安倍晋三首相。メイ政権とうまく関係を保っていきたいとの思惑もあり、日英両政府の縛りで日立ががんじがらめになる懸念は依然として消えない。

 三菱電機は、スマートフォン(スマホ)などの生産に使うFAシステムや車載機器で手堅く稼ぐ。18年3月期の純利益は2718億円。19年3月期から国際会計基準に移行し、純利益は2450億円の見込み。国際会計基準に基づく増減率では5%の減益になる。FAシステムが減速する可能性が高い。

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5:30更新
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