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篠崎靖男「世界を渡り歩いた指揮者の目」 第1回

指揮者ほど最高の職業はない!オーケストラ楽員との丁々発止の後の演奏は病みつき

文=篠﨑靖男/指揮者

 リハーサルに入るにあたって、指揮者だけでなく、音楽家がまずやらなくてはならないことは、“あいさつ”です。日本の音楽業界では、芸能界と同じく、朝でも昼でも晩でも、「おはようございます」とあいさつしますが、海外のオーケストラであっても、あいさつは欠かせません。

 演奏家は、演奏中には楽器の音は出せども、自分の声を出すことはできないので、こんな短いあいさつの言葉であっても、今日一日、仕事を共にする仲間たちとの、大切なコミュニケーションの機会となります。あいさつを忘れてしまったとしたら、「なんだ、あいつ感じ悪い奴だ」と、一日中思われてしまいます。

 もうひとつ、絶対に守らなくてはいけないのは、時間です。たとえ5秒でも遅刻しようものなら、大変なことになります。これについては、また違う機会にします。

 さて、コンサート本番。良い演奏ができた時に、楽員と喜びを分かち合う瞬間は何にも代えがたく、苦労なんてすっかり忘れてしまいます。悩んでいたことが些細なことにさえ思えてきます。そして、「また、このオーケストラの楽員と演奏したい!」と思うのです。つまりは“病みつき”になるわけです。
(文=篠﨑靖男/指揮者)

篠﨑靖男/指揮者、桐朋学園大学音楽学部非常勤講師

篠﨑靖男/指揮者、桐朋学園大学音楽学部非常勤講師

 桐朋学園大学卒業。1993年ペドロッティ国際指揮者コンクール最高位。ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、2000年シベリウス国際指揮者コンクールで第2位を受賞し、ヘルシンキ・フィルを指揮してヨーロッパにデビュー。 2001年より2004年までロサンゼルス・フィルの副指揮者を務めた後ロンドンに本拠を移し、ロンドン・フィル、BBCフィル、フランクフルト放送響、ボーンマス響、フィンランド放送響、スウェーデン放送響、ドイツ・マグデブルク・フィル、南アフリカ共和国のKZNフィル、ヨハネスブルグ・フィル、ケープタウン・フィルなど、日本国内はもとより各国の主要オーケストラを指揮。2007年から2014年7月に勇退するまで7年半、フィンランド・キュミ・シンフォニエッタの芸術監督・首席指揮者としてオーケストラの目覚しい発展を支え、2014年9月から2018年3月まで静岡響のミュージック・アドバイザーと常任指揮者を務めるなど、国内外で活躍を続けている。現在、桐朋学園大学音楽学部非常勤講師(指揮専攻)として後進の指導に当たっている。エガミ・アートオフィス所属

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