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レオパレス、異常な確率で欠陥物件、人命を脅かす瑕疵も…一方的契約解除で訴訟続出

文=小林紘士/不動産ジャーナリスト
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「界壁」だけの問題なのか

 筆者は、レオパレス21について、今後もまだ何か問題が出てくるのではないかと考えている。今回は界壁の不備だが、果たしてそれだけなのだろうか。建物には天井裏だけでなく、建築中に監理が悪いと見逃す恐れのある隠れた箇所はたくさんある。施工監理が悪かったなら、界壁だけを再度確認すればいいというものではないのだ。

 界壁の問題を耳にして真っ先に思い出したのが、以前、同僚が仲介したレオパレスのアパートのことだ。

 もう10年以上前になるが、当時、同僚がある投資家に、すでに名前は変わっていたものの築19年経過した旧レオパレス物件を仲介した。購入してから数カ月後、その物件の2階のベランダの接合部分が建物から外れ、残された1カ所の接合部だけでかろうじてぶら下がっているという事態が起きた。もし、タイミング悪く、入居者が洗濯物を干すなどベランダに立っていたら、惨事になる出来事だった。

 その後、補修費の問題でもめたが、決着することができた。その補修の過程で、ベランダの接合部が外れた原因を専門業者に調査してもらった結果は、背筋が寒くなるものだった。すでに20年近い年月を経た建物だったため、経年劣化による腐食等だろうと推測していたのだが、実際は接合部のボルトが1本無かったことが原因だった。これまで何回も売買が繰り返された物件であり、かつ、建物保証期間も過ぎているため、施工者であるレオパレスに責任を求めることはできなかったが、人命にかかわる可能性のある瑕疵があったことはまぎれもない事実だった。

 この事例は、たまたま起こったことかもしれないが、後にも先にも身近でレオパレスの物件を扱った取引はこの1件だけにもかかわらず、こうした問題が起きたことに怖さを感じている。

 同社は、界壁の補修とそれに伴う入居者の引っ越し費用などを負担すると発表しているが、本当に問題のある箇所はそこだけなのか。真摯に顧客であるオーナーや入居者に向き合うなら、そのほかの隠れた箇所も調査する必要があるのではないだろうか。今後、施工者であり事業者でもある同社の対応次第では、続けてほかの問題が出てくる懸念が払拭できない。
(文=小林紘士/不動産ジャーナリスト)

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