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堀田秀吾「ストレス社会を科学的に元気に生き抜く方法」

梅雨、ダルさや体調不良を解消する方法? なぜ短時間睡眠だと太る?

文=堀田秀吾/明治大学法学部教授
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 昼寝するときに注意していただきたいのは、寝すぎると逆に眠気が増してしまったりするので、寝る時間は30分以内にしてください。また、滋賀大学の大平・丸茂の研究によると、音楽を聴きながら昼寝をすると睡眠は深くなるものの、起きた時の眠気が強くなったり、課題への反応が鈍くなったりするようです。ただ昼寝すれば良いというものでもなさそうです。

 このように、昼寝には一定の効果がありますが、やはり大切なのは夜の睡眠です。上述の実験は、夜は夜でちゃんと寝ていた被験者たちが対象になっています。夜に十分に寝ていなければ、昼寝だって効果はないのです。

睡眠と体重

 睡眠不足は身体に悪いということは、皆さん、なんとなくご存知かと思うのですが、疲れが取れない、昼間に眠気に襲われて仕事が捗らないなどの、よく知られている問題以外にもさまざまな問題が実験によって指摘されています。
 
 たとえば、フロリダ大学のマークウォルドらの研究では、1日5時間の睡眠での寝不足状態を5日間続けた状態のグループ、そして1日9時間の睡眠という十分な睡眠状態を5日間続けた状態のグループという2つのグループを比較しました。

 この研究の結果としては、寝不足のグループは平均して1キロ弱も体重が増加し、その後、寝不足グループに十分な睡眠をとるようにさせたところ、体重は減少したのです。また、寝不足のときには、朝ごはんは少なくなりがちであるが、トータルで1日に食べる量は増え、夕食後にも、また炭水化物やタンパク質、繊維質等を食べてしまうという傾向が見られました。その理由は、起きている時間が長ければ長いほど、活動時間が長くなります。そして、その活動を維持するためにエネルギーを使わなければならないので、エネルギー補給のために食べ物を食べてしまうからだと考えられています。ちなみに、実験の結果、女性のほうが睡眠不足による体重増加傾向が顕著でした。

 次に、カリフォルニア大学バークレー校のマンダーらの研究では、睡眠が少なくなると、それに比例するように記憶力の低下が認められるということが明らかになりました。

 この研究は、人間の老齢化に関する研究なのですが、年齢を重ねると睡眠時間が短くなり、深く眠る時間が少なくなります。脳は深く眠っている間に記憶を定着させるのですが、睡眠時間が短く、深く眠る時間が少ない場合、記憶を定着させる時間がなくなり、結果的に記憶力が悪くなってしまうということです。

 結局、5月病対策として最も有効なのは、しっかり寝て、体内時計を整え、生活リズムを整えることです。
 
 一口に生活リズムを整えるといっても、必要な睡眠時間、心地の良い生活習慣は人それぞれです。最近の研究では、1日のリズムをつくる遺伝子は人によって型が異なり、日周リズムが1時間ほど異なることがわかっています。

 自分に合わない型の生活リズムをつくっても、かえって身体にはストレスになってしまいます。自分の体調、状態と相談しながら、どんな生活リズムが自分にとって理想なのか、それを見極めながら整えていきましょう。昼食後の昼寝の時間も確保できるようになると、さらに良いでしょう。
(文=堀田秀吾/明治大学法学部教授)

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