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企業・業界

日本の自動車メーカーが消える可能性はゼロではない理由

取材・文=A4studio
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 井上氏が語るように、自動運転車の開発に関してはシリコンバレーの米IT企業らが活発に行っており、例えば先述の名古屋大学のベンチャー企業・ティアフォーの自動運転車は、国内でこそテレビや新聞など数多くの媒体で報じられたが、世界的に見るとさほど話題となっていないのが現状だ。

 次にEVだが、日本ではまだ全体の1%のシェアにも満たないのだが、中国ではコンパクトセダンやコンパクトハッチバックなどのEVタクシーが当たり前になっているなど、EV化の普及が進んでいる。EVは“最先端の車”といったイメージを持つ方が多いだろうが、中国のようなEV普及先進国では旧モデルやリーズナブルなコンパクトカーをベースにし、ローコストで実現させたEVも登場している。

 また、日本で最も売れているEVである日産・リーフが80%まで急速充電するのに40分かかるなど、日本で普及が進んでいない理由のひとつとして充電の待ち時間の長さが挙げられる。だが、中国では充電ケーブルを使わず、電池を交換するだけのモデルも登場しており、電池交換時間(充電待ち)がわずか2分で完了することで人気を集めているのだ。

 そんなEV普及先進国である中国のEVが、日本国内の観光地で導入され始めていることはご存知だろうか。中国メーカーBYD(比亜迪自動車販売)が手掛ける電気バスが、2015年に京都府京都市の路線バスに5台、昨年12月に沖縄県那覇市のクルーズ船代理店に10台納入されているのだ。日本国内でも特に環境汚染問題への意識が高い観光地では、中国メーカーのEVの需要が高まっているということだろう。

トヨタは全車種を電動専用車、電動グレード設定車へ

 しかし、日本メーカーもただ指をくわえて黙って見ているわけではない。

 特にトヨタは昨年12月、「2030年に電動車の販売550万台以上、EV・FCVは100万台以上を目指す -2025年頃までには、全車種を電動専用車もしくは電動グレード設定車に-」(トヨタ自動車公式サイトより)と掲げている。

 HV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、EV、FCV(燃料電池自動車)などの電動車シリーズの開発・展開により、2020年代での電動車普及を促進させる計画を発表したのである。2025年頃までに、HV・PHV・EV・FCV及びHV・PHV・EVなどの電動グレード設定車を拡大し、全車種を電動専用車、電動グレード設定車にすることで、エンジン車のみのモデルはなくす意向。プリウスなどHVで築き上げたノウハウを活かし、“EV時代もトヨタあり”ということをアピールしていこうという戦略に見える。

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