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トヨタ、会社全体の発想を転換…他社からアイディアや技術の「吸収」を開始

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トヨタ自動車・豊田章男社長(つのだよしお/アフロ)

 現在、日本企業の経営者と話をすると、生き残りをかけたコストの削減を優先課題とするケースが多いように思う。その背景には、積極的にリスクを取って新規事業を開拓するよりは、しっかりコストカットを行い資金・経営資源を捻出し、その範囲内で新規事業などを開拓しようという考え方があるのだろう。ただ、そうしたアプローチだけでは、本格的な事業拡大を望むことは難しい。むしろ、リスクを取らないこと自体が、リスクになることもあるはずだ。

 注目したいのがトヨタ自動車だ。2年前の決算説明会にて、豊田章男社長は「ここ数年間の業績は、為替による追い風参考記録」との認識を示した。円安によって収益がかさ上げされ、実力以上に利益が増えたという認識だ。それは、企業にとっていかに円安が重要かを端的に示した発言だった。それ以来、トヨタは円高が進んでも収益を確保できる基盤の整備にコミットしてきた。背景に、円安が続きづらいとの認識があったことは言うまでもない。それに加え、電気自動車(EV)の開発競争がし烈化することや、“ドル箱”であった米自動車市場の減速もある。トヨタは、そうした状況に耐えられる仕組みづくりを考えているのだろう。

トヨタが直面する2つの重大な変化

 
 2018年3月期のトヨタの決算は、増収増益だった。前期から営業利益は4,000億円程度増加し2.4兆円だった。営業利益の増加要因をみると、2,700億円程度が為替レートの変動からもたらされ、原価改善など企業独自の取り組みから1,250億円程度が増益に貢献した。当期の純利益率は8.5%に上昇し、フォルクスワーゲンやダイムラーなどドイツ勢を上回る利益率を確保した。

 現時点で、同社の経営は良好だ。それを支えてきたのが、北米事業だった。2015年3月期まで、北米市場でトヨタは増益を達成してきた。米国の景気が緩やかに回復するなか、自動車の買い替えを控えてきた家庭の新車需要などを取り込んで、同社は利益を確保することができた。また、米国の景気回復は、中国とともに世界経済の安定を支えた。そのため、世界全体で自動車の販売が増加基調で推移し、トヨタの業績も拡大基調をたどったのである。

 2015年3月期、5,379億円に達した北米事業の営業利益は、足許、1,321億円にまで落ち込んだ。2017年度、北米以外の地域では増益が確保された。北米の自動車市場の減速は明らかだ。円高が進めば、同社の増益確保は難しくなるだろう。トランプ政権の通商政策への不安もある。

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