ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal

元国税局職員、さんきゅう倉田です。小学生の時の夏休みの自由研究は「BEPSについて」です。
「横目調査」とは、銀行に調査に入った際、調査対象者と異なる人の預金口座を盗み見ることです。銀行に協力を要請して調査を行う場合は、誰の口座情報を調査するか、書類で提出します。しかし、その調査中に他の納税者の情報を見ることも、物理的には可能です。よって、横目調査によって、銀行に知らせた人以外の口座情報を見て、脱税者を見つけることがあります。その手続方法によっては、横目調査は違法とされます。
そもそも、国税局のルールなどが書かれた国税通則法の第七四条の二には、次のように書かれています。以下抜粋。
「国税局の職員は、調査について必要があるときは、質問し、その者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査し、物件の提示若しくは提出を求めることができる」
つまり、逆にいうと「必要があるときしか調査してはいけない」と解釈できます。横目調査では、まだ必要かどうかわからない納税者の預金口座を調べることになるので、国税通則法に反する可能性があります。今回は、横目調査をされ、懲役を言い渡された納税者の事案を紹介します。