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浜田和幸「日本人のサバイバルのために」

中国の時代、幕開けか…中国崩壊説は時代遅れ、ついに30年前の改革開放が結実

文=浜田和幸/国際政治経済学者

日本は中国に投資すべき

 では、アメリカの将来はどうだろうか。「アメリカに肩入れするのは愚か」ということになる。なぜか。答えは明確だ。

「日本は世界最大の債権国です。アメリカはその反対で、世界最悪の債務国、いわゆる経済破綻同然の借金まみれ。日本政府がアメリカ国債を律儀に買い入れていますが、完全に間違っています。ドルを買い支えたり、アメリカ国債を買い増したりするくらいなら、中国に投資すべきです。日本は中国経済の発展や調整の過程で大儲けできるチャンスがいくらでもあります。実に恵まれたポジションにいます。中国脅威論や中国崩壊シナリオをもっともらしく唱える人々もいますが、中国に行ってみてください。そんな時代遅れの見方は氷解するでしょう」(ロジャーズ氏)

 アメリカの限界を見据えている点ではソロス氏と相通じるものがある。とはいえ、米中の対立が第3次世界大戦に発展する可能性については、ロジャーズ氏は即座に否定した。

「中国人は賢いですよ。アメリカと事を構えるようなバカなことはしないでしょう。少なくとも今後20年程度はね。これまで一人っ子政策を続けてきたため、戦争ができない国になっているからです。何しろ、どの家も基本的には子どもは一人だけ。大事な一人息子を海外の戦場に送るようなことになれば、それこそ革命が起こります」

「自分が何をしようとしているのか、わからない時には、何もするな」

 これがロジャーズ氏のアドバイスだ。これはソロス氏にも共通すること。ソロス氏も「成功するには気分転換が欠かせない。何もしない時間も貴重だ。忍耐力を養うことになる」と言う。

 それでは英気を養った後、市場を理解するためには何をすればいいのか。自分や家族、そして会社や組織を守るには、どうすればいいのか。ソロス氏とロジャーズ氏が口を揃えるのは、「読むこと」の重要性である。もちろん情報収集と称して単に本やネットを漁るということではない。集中力をもって情報源と向き合うことが大事ということだ。

 勝負をかけようとする、狙った世界で定評のある文献は当然だが、同時にマーケットに影響を与えるような一般読者がよく目を通すメディアのチェックも重要となる。こうした情報収集と分析を重ねていくと、あるトレンドが浮かび上がる。そこを押さえた上で、そうしたトレンドの牽引車となる経営者や研究者を訪ね、自分の五感で、投資に値するかどうかの最終判断を下すというのである。

浜田和幸/国際政治経済学者

浜田和幸/国際政治経済学者

国際政治経済学者。前参議院議員、元総務大臣・外務大臣政務官。2020東京オリンピック招致委員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士

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