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湯之上隆「電機・半導体業界こぼれ話」

米中ハイテク貿易戦争突入で報復合戦…中国、米韓半導体3社を独禁法違反容疑で調査

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「Gettyimages」より

「やられたら、やり返す」


 中国当局は、米マイクロン・テクノロジー、韓国サムスン電子、同SK Hynixが、半導体メモリDRAMにおける市場シェアの支配的地位を乱用し、不当に価格を釣り上げているとして、独占禁止法違反の調査を開始した(6月5日付日本経済新聞より)。

 本稿では、まず2011年以降の上記3社のDRAMの売上高およびシェアを確認する。次に、2016年~2017年にかけて、DRAM価格が2倍以上に高騰している状況を示す。ここから、上記3社が“緩やかな談合”を行い、DRAM価格を釣り上げていた実態を明らかにする。ただし、“緩やかな談合”といっても、3社が密談していたわけではなく、阿吽の呼吸で生産調整を行い、「需要よりちょっと足りない状態」をつくり出していたと考えている。

 最後に、中国による独禁法違反の調査は、米中ハイテク貿易摩擦の一環として行われたものであり、米国から2発パンチをお見舞いされた中国が、2発目のパンチを繰り出したこと、すなわち「やられたら、やり返す」ことを意味している点を示す。

米韓3社がDRAMを独占


 1980年中旬に日本半導体産業がDRAMの世界シェア80%を独占した時代もあったが、サムスン電子等の韓国勢に大敗を喫したため、2000年以降、日本はエルピーダ1社を残してDRAMから撤退した。そのエルピーダも2012年に倒産して、マイクロンに買収された。また、台湾のDRAMメーカーもリーマン・ショック以降、精彩を欠き、現在はNanya、Winbond、Powerchipが1~3%のわずかなシェアを持っているにすぎない。

 以上の結果、2012年以降、DRAMはサムスン電子、SK Hynix、マイクロンの3社に集約された。実際、DRAMの売上高の企業別シェアの推移を見てみると、サムスン電子、SK Hynix、マイクロンの3社の合計シェアは、2013年第3四半期に90%を超え、2017年第2四半期には95%を超えている(図1)。



 次に、DRAMの企業別売上高の推移を見てみよう(図2)。特徴的なのは、売上高上位のサムスン電子、SK Hynix、マイクロンの売上高が、2016年第1四半期から急激に増大している点である。しかし、これら3社はDRAMを増産することによって売り上げを伸ばしているわけではない。むしろ、たとえばサムスン電子は月産のウエハ投入枚数を50万枚から40万枚に低減している。にもかかわらず、DRAMの売上高は増大している。他社も恐らく同様に、生産調整を行っている。


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