ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal

元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな勘定科目は「認定賞与」です。
2014年、男性なら多くの方がご存じであろう有名セクシー女優が、東京国税局の税務調査を受けました。調査の結果、07年から13年までの7年間で約2億4500万円の所得があったことがわかり、この女優は追徴課税に応じたそうです。
調査を行ったのは「資料調査課」という、国税局内では「りょうちょう」とか「コメ」と呼ばれる、悪質な納税者の調査をする部署です。コメは「料」の字に由来しています。通常の税務調査では3年、余裕があれば5年分の帳簿を確認しますが、不正がある場合は7年訴求することができます。
この女優は、そもそも無申告でした。年平均3000万円以上の収入があったのに、確定申告をしていなかったのです。この記事をご覧になっているみなさんは、会社員の方が多いと思いますが、そんなみなさんは「給与所得者」です。しかし、僕を含むタレントやセクシー女優は「個人事業者」なので、事務所やレーベルからお金を受け取ったら、自分で収入や経費、控除を計算して確定申告をしなければいけません。無論、お金を支払って税理士の先生に依頼することができるので、申告の意思があれば、無申告になることはないはずです。
女優は、「知識がなかったために申告をしていなかった」と主張したそうです。「やらなければいけないことだと知っていればやっていた」とも述べていたようです。にわかには信じがたいですが、どんな主張をしようとも、追徴税額は変わりません。