NEW

六代目山口組総本部のガレージ当番をさせたとして、直参組長が逮捕……どんな罪に当たるのか?

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

当番を集めることすら苦労する時代に

 IDカードの規定においては、六代目山口組分裂以前に一度厳しく見直されたことがあった。

 その理由は、当時、若中の直系組長の持ち回りで行われていた名古屋市にある六代目山口組・司忍組長宅の本家当番について、一般人が当番を強要させられたとして、六代目山口組直系組長(当時)が逮捕され、六代目山口組発足後初となる家宅捜索が司組長宅に入ったからだ。

 その逮捕についても著者は、多少の強引さがあったのではないかと当時感じていた記憶がある。なぜならば、“被害者”となった人物は、本家当番だけでなく日頃から、逮捕された組長の運転手を務めていたのを筆者もたびたび目にしていたからだ。

 ある公用でその組織の幹部と話した際には、間違いなくその人物は三次団体で副会長を務めていたと聞いていたし、その後その人物には絶縁状が関係者各位に撒かれたことを覚えている。そういう意味では一般人ではないし、そんな人物が強要されて、本家当番にあたることがあるだろうか。

 しかし、司組長宅に家宅捜索が入ったことを重くみた当時の六代目山口組執行部の親分衆らはその後、総本部に出入りする組員に対して、いくら所属する組長の付き人や運転手であったとしても、ヤクザ歴5年を過ぎてなくてはならないという通達を出し、本家当番の付き人についても、二次団体の執行部クラスでなければ出入りすることを禁じるようになったのだ。

 そうした一方で、最近は関係者らからこういった声が上がっているのも確かだ。

「ガレージ当番といえば、以前は12~13人で行われていたが、組員の負担などを考えて現在は7名と決まっている。引率者で責任者である執行部1名(二次団体最高幹部)、二次団体の直参組員3人、枝の組員(三次団体組員)が3名の7人体制となっている。しかし、その7人ですら集めるのが困難な組織があると聞く」(前出の幹部)

 それについて、ヤクザ事情に詳しいジャーナリストは、こう解説している。

「身体を取られる事務所当番は嫌なものだと、みなさん口にします。特に若い組員にはその傾向が強いようです。そのため、組関係者に小遣いを与えて、短期的に当番に入ってもらうこともあるようです。今回も、組長側からしてみれば、関係者にちょっとお小遣いを与えて手伝ってもらったくらいのつもりだったかもしれませんが、その小遣いを給与と拡大解釈し、ガレージ当番は給与が発生する業務(職業)として捜査当局は捉えたのでしょう」

 そのため、田保会長の逮捕容疑が職業安定法違反に当たるのではないかというのだ。

「今後も、こういった事案は増加する可能性はあると思います。本人が、『脅されて、無理やり事務所当番に駆り出された』と警察に駆け込めば、強要だけでなく監禁なんてことにもなりかねません。そして今回のように突き上げ捜査で、トップまで逮捕できる可能性が出てきています」 (同)

 ヤクザにとって、事務所当番とは当たり前の“ヤクザごと”だった。それも総本部のガレージ当番ともなれば、選ばれて総本部に出入りできるだけでも誉れとする時代があった。刑務所などでは「本家へと行ったことがある」と、当番をしたことを自慢気に話す懲役囚だっていたほどだ。だが時代が変わり、今はそうしたこととは大きくかけ離れてしまっているのではないだろうか。当局による、ヤクザ組織の締め付けを目的とした法運用の厳格化により、ヤクザ社会が大きく変貌しつつある。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
元山口組二次団体最高幹部。2014年、所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)。最新刊は『尼崎の一番星たち』(同)。

六代目山口組総本部のガレージ当番をさせたとして、直参組長が逮捕……どんな罪に当たるのか?のページです。ビジネスジャーナルは、ジャーナリズム、任侠山口組六代目山口組神戸山口組の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

Ranking
  • ジャーナリズム
  • ビジネス
  • 総合
BJ おすすめ記事