永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

野党が外相に無理な審議出席要請→8千万円かけチャーター便を用意→野党の質問は2つのみ


 また、以前に河野外相が「効率的な海外訪問のために外相専用機が必要」と主張した際、「おねだり」と揶揄されたことがありました。「海外派遣の回数が多すぎる」と野党から批判されたことについても、「外務大臣は日本の営業マンですよ。営業のために海外訪問することを批判されたら、外務大臣としての仕事はできません」と理解を促していました。

 実際、ある国の外務大臣からは、「電話だけで外交が成立すると思うなよ」とお叱りを受けたこともあるそうです。

「国会審議に何がなんでも閣僚を出席させようとするのはやめるべきだ。なんのために天皇陛下から副大臣を認証してもらっているのか」と力説し、同様の意見がほかの閣僚経験者からもたくさん出ていました。この会合を立憲民主党が警戒しているのは、国会審議拒否の口実に「閣僚の欠席」を挙げてきたことへの批判を恐れたのかもしれませんね。

 また、国会の運営にはほかにもいろいろな問題があります。たとえば、衆議院規則では「質疑通告は2日前まで」とされているのに、守られたことはまずありません。そのために、対応する官庁の職員をはじめ、関連する自治体や企業にも大きな負担がかかっています。もちろん、秘書も同様です。

 河野外相によると、外務省の北朝鮮担当の職員は10名で、ほぼ全員が月に200時間を超える残業を強いられており、そのうち7名が疲労で倒れた経験があるそうです。そんな状況では、持続的で有効な政策は行えません。ぜひ、大小を問わず、党派を超えて改革してほしいと思います。

改革しても「優越的地位」は残したい?

 それにしても、小泉議員の注目度はすごいですね。本人も周囲も、「この人気を利用して改革を前進させられればいい」と思っているようです。

 ただ、これはあくまで「衆議院」の改革であって、本当の意味での国会改革ではありません。やはり、衆参の間の壁は高いのです。参議院は今も「議員定数の増加」という、むしろ改革に逆行するような動きを見せています。ただ、この会合では衆議院の優位性については、まったく触れられませんでした。

 ご存じの通り、衆議院は参議院に対して「優越的な地位」にあります。たとえば、内閣総理大臣には実質的に衆議院議員しか就任することができません。過去に小渕恵三首相が亡くなった際に青木幹雄参議院議員が臨時代理を務めたことがありますが、参議院議員のために衆議院で行われる首班指名選挙には名前を書いてもらうことすらできませんでした。そして、「IT」すら読めなかった森喜朗首相が生まれたのです。

 憲法では「内閣総理大臣は国会議員の中から指名される」とあるので、「参議院議員でもなれるのでは」と思う方もいるかもしれません。ただ、これまで参議院議員が指名された例はありません。衆参両院の本会議で首班指名が行われますが、衆参で指名の議決が異なった場合、諸条件はありますが、最終的に衆議院の優越によって衆議院の議決が国会の議決になるという事情があります。

 また、法案審議についても、衆議院で可決した法案が参議院で否決または採決されなくても自然成立することもあります。

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