NEW

貧困ヤクザ、社会問題化…スーパーで万引き、日本各地でナマコ密漁、幼なじみ恐喝

文=編集部
【この記事のキーワード】, , ,

「13年の殺人事件が938件となって、初めて1000件を下回ったときは話題になりましたね。その後も、多少の変動はあってもほぼ1000件以下で推移しています。そして、事件の大半は親族間によるものです。ヤクザは人を殺すにも自分の刑などを計算しますから、重罰化している今は簡単にはやらないし、やったとしても自首しません。検挙率が下がっているのも、ヤクザが捜査に協力しないからだと考えます」(同)

 殺人などの凶悪事件は減る一方で、薬物など非合法のシノギが増えたということだろうか。

「そういうことになりますね。乾燥大麻などはネットで製造法を調べることもできますし、オレオレ詐欺も以前から半グレや素人と手を組んでいます。とはいえ、密漁は簡単ではないでしょう」(同)

 密漁はダイビング用品やボートが必需品であり、安くない初期投資が必要だ。

「ボートは逃亡しやすくするためにモーターを増やし、ドライスーツなどのダイビング用品も調達します。ただ道具をそろえたところで、場所や潮の流れなどを知らないと危険です。それに、すでにヤクザがたくさん入ってきているので、新規参入は難しいと聞いています」(同)

 ナマコなどの密猟者摘発の報道は以前より目にするようになってきてはいるが、宮崎さんによれば、それは「氷山の一角」だ。

「天候が悪いとき以外は、北海道だけでなく国内各地の沿岸部に船を出しているようですから、把握しきれないでしょう。ナマコだけでなく、ウニやカニ、アワビ、サケなどが獲られています。この背景には、漁業法は覚せい剤取締法などと比べて罰則がゆるいこともあります。密漁は懲役3年以下または200万円以下の罰金ですから、逮捕されてもまたやりますよ。リスクは、ダイバーがたまに溺死することくらいです。監視船が来たら、そのまま置いていくそうです」(同)

 置き去りにされるのは怖いが、覚せい剤取締法違反の最高刑は無期懲役なので、よりローリスクといえる。

「私は京都の出身なので、伊勢などでアワビなどを密漁していた不良も知っています。『覚せい剤よりはマシ』という判断でしょうね。ただし、昔はみんな小規模でした。今のナマコの密漁は、山中につくった秘密工場で乾燥させて中国に高値で売ると聞いています。ボートの調達から加工工場の建設までできるということは、大組織による大規模なシノギということになります」(同)

 そうした密漁は地元の漁協にとっては大打撃であり、「任俠とはほど遠い」と批判されても仕方ないのではないか。

『暴力団追放を疑え』 峻烈さを増す暴力団排除の動き。今や銀行口座開設、不動産契約からも、暴力団関係者は除外されつつある。しかし、ヤクザの実態が正しく伝わらないなかで、異論を挟むことも許さない排除運動は何をもたらすのだろうか? アウトロー史観ともいうべき独自の視点を持つ著者が、近年の暴力団追放の風潮の裏に潜む、警察利権の問題、管理型社会の進行に警鐘を鳴らす。 amazon_associate_logo.jpg
『あえて暴力団排除に反対する』 2011年、全都道府県で暴力団排除条例が施行された。この法令により、銀行や郵便局の口座が作れない、子どもが差別されるなどの問題が起きている。危機感を共有する表現者、法曹関係者たちが暴力団排除条例に異議を唱える。 amazon_associate_logo.jpg

RANKING

11:30更新
  • ジャーナリズム
  • ビジネス
  • 総合