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「危険な貧困ヤクザ」を量産した暴排条例で日本の治安悪化…海外犯罪集団が跋扈

文=編集部
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「密漁などイタチごっこの犯罪もなくなりませんが、新しいタイプの犯罪も増えるでしょうね。たとえば、16年に全国の約1700台のATMから18億円あまりのカネが一斉に引き出される事件がありました。犯人たちはアフリカの銀行の顧客管理システムに侵入して偽造カードをつくり、無料通信アプリ『LINE』を使って連絡を取り合っていたといいますが、全容はわかっていません。国内外のハッカーとアウトロー、その周辺者が連携した新しい犯罪です」(同)

 覚せい剤など違法薬物の密輸は、以前から他組織間のつながりが指摘されていたが、多額の不正引き出し事件は聞いたことがなかった。

「16年の事件には、いったい何人がかかわっているのでしょうか。以前なら考えられませんでしたね。人数が多ければ多いほど秘密の保持が難しくなりますし、取り分をめぐって必ずもめます。おそらく、全体を把握しているのは数人でしょう。それを可能にしているのがテクノロジーですが、『LINE』などの通信アプリは足がつきやすいとの話もあります。いずれにしろ、“より悪い事態”にしかなりません」(同)

 同時に、古きよき町の顔役としてのヤクザは消えてしまうのだろうか。

「消えますね。もはや絶滅危惧種です。表立って任俠を掲げるメリットはありませんから。それで、今後はどうなるかというと、私は外国人による犯罪の増加を懸念しています。海外の犯罪集団やマフィアなどの無秩序な勢力を抑え込む力は、日本のヤクザには残っていません」(同)

 20年の東京オリンピックを前に増加する外国人観光客によるトラブルは想定内ではあるが、より人数が増えればトラブルも増えるということだ。

「前回の1964年のオリンピックのときは、ヤクザの親分衆が子分たちに『人相の悪い者はうろつくな』と指示していたほどですが、ガラの悪い日本のヤクザ以上に質の悪い外国人の犯罪者グループが跋扈するでしょう。外国人にとっては、ヤクザのいない日本は犯罪天国です」(同)

 報道されることこそ少ないが、増え続ける外国人観光客による万引きや無銭飲食、器物損壊などのトラブルは各地で後を絶たないという。

「特に置き引きや車上荒らし、性犯罪は激増するでしょうね。カフェなどの飲食店では、荷物を置いたまま離席できなくなりますよ。コインパークや自動販売機は荒らされ放題です。女性が深夜に出歩くのも今以上に危険ですし、落とし物は間違いなく戻ってこなくなる。かつての日本が誇った『平和』は、もう取り戻せなくなりますよ。

 ヤクザは“悪い存在”ですが、存在しているのにはそれなりの理由があるのです。その理由を鑑みずに排除したところで、“より悪いもの”しか出てこないということです」(同)

 貧困ヤクザの問題は、ただ「食えない暴力団員が増えている」というだけでは済まない事態となりそうだ。
(文=編集部)

●宮崎学(みやざき・まなぶ)
1945年京都生まれ。ヤクザや国家権力に関する著書が多く、独自の視点は定評がある。『週刊実話ザ・タブー』と『月刊日本』で時評も連載中。

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