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日本対ベルギー戦直前!会場を埋め尽くす、日本を応援する「ロシア人サポーター」と日本人が感動的交流!

文=森哲志/ジャーナリスト
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W杯には無関心だが、日本に対しては憧れ

 これも現地入りして驚いたことのひとつだが、実はW杯自体はロシア人の間でさほど盛り上がっていない。さすがに優勝候補のスペインを破った夜は町中が興奮していたが、それまで大半のロシア人は普段とほとんど変わらない生活を送っているように感じた。

 ホテルや飲食店でも、ロシア人がロシア以外の試合をテレビで観戦している姿は本当に少ない。初戦のサウジアラビア戦の大勝も大きな話題にこそなっていたが、日本がコロンビアに勝ったときのような興奮はみられなかった。

 ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウド選手、アルゼンチンのリオネル・メッシ選手、イングランドのハリー・ケイン選手……スター選手のプレーや強豪国の試合に関しても、街中で夢中になっているシーンはほとんど見ない。

「BRICS」(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)仲間の南アフリカで2010年に行われたW杯では、好ゲームの最中でもラグビーのテレビ観戦に歓声をあげる姿をよく見かけたが、関心度の高さでいえば、まだ南アフリカのほうがましだった。

 ロシア国内の世論調査の結果を見ても、国民のW杯への関心は低く、「試合を見ない」という人が40%以上にものぼったという。9つの新スタジアムを建設するなど1兆円超の巨費を投じたプーチン大統領のW杯招致についても、「停滞する経済の活性化に役立つか」に半数以上が「いいえ」と答えている。ロシアでのスポーツ人気は、アイスホッケーやフィギュアスケートなど“氷の上”にあるのだ。

 しかしながら、W杯自体への関心が薄いなかで、これほど日本への応援が多いことには驚かされる。遠く離れてなじみが薄い両国なのに、なぜなのか。学生時代に京都を旅したことがあるというサンクトペテルブルクの雑誌記者・ミラフォスキー氏(41歳)はこう語る。

「『メイド・イン・ジャパン』さ。一番は日本車。トヨタ、ニッサンは国産車より人気だ。ロシア人は、いろいろな部分で日本に憧れているんだ。日本人が知らないだけだよ」

 その通りで、現地では日産自動車のタクシーにしばしば乗る機会があった。携帯電話ショップやスーパーマーケットでは、「メイド・イン・ジャパン」と笑顔で親指を立てるスタッフに何人も出会った。

 ロシアの名目GDP(国内総生産)は日本の約4分の1という水準だ。その差は大きいが、一方で日本に対してはモノを通じて身近な思いとリスペクトの感情が渦巻いているのではないだろうか。そんなロシア人たちの心情がサムライブルー躍進の下支えになっているとすれば、実にありがたいことである。
(文=森哲志/ジャーナリスト)

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