また、沢村に次ぐ準主役的な扱いの横山演じる山内は、やたらとミハンチームの方針に反抗して場をかき乱すのだが、常に不貞腐れた表情一辺倒で演技がポンコツだということもあり、“文句ばっかり言う新入社員”にしか見えず、ただただウザい。

 さらに、スリリングな刑事モノにしては演出に粗が目立ちすぎるも、いちいち興ざめしてしまう。たとえば小田切唯(本田翼)が新米OLに扮して須藤の会社に侵入する場面では、小田切はわざと須藤にぶつかって手帳を盗み取り、すかさず空いている会議室に侵入して手帳の内容をカメラで撮影するのだが、今どきあんな最新鋭のオフィスビルの会議室には監視カメラが設置されているだろうに、“秘密裏の捜査”の様子がバレバレになってしまうのではないか。さらに、オフィスの廊下で堂々とトランシーバーみたいな機器を手に握って、切羽詰まった表情で小走りして行くなんて、明らかに怪しいでしょ……。

 そして、なんと言っても一番の難点は、『絶対零度』シリーズの前2作と、テイストもノリも設定もあまりに違いすぎて、ファンからしてみれば「こんなの『絶対零度』じゃない!」と裏切られた気持ちになってしまっているのではないかが懸念される。そもそも主役が上戸彩から沢村一樹に変更って、それで「『絶対零度』シリーズの第3シリーズですよ!」って言われても、無理があり過ぎる。

 唯一の見どころといえば、小田切演じる本田が、可愛い顔してバッタバッタと悪党どもをなぎ倒すアクションシーンは、なんかよくわからないけどスカッとするね。ただ、小田切は悪党の男性の股間を蹴り上げることに爽快感を覚えるというキャラ設定なのだが、蹴り上げた後で若干爽快そうな表情を浮かべるシーンは、波紋を呼んでしまわないかが若干心配される。

 いずれにせよ、なんか、全体的にはイマイチな今クールのフジ月9であった。
(文=米倉奈津子/ライター)

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