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富士フイルム古森会長、買収座礁の説明求める株主を「無視」…ゼロックスと対抗路線へ転換か

文=編集部
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富士フイルム古森会長、買収座礁の説明求める株主を「無視」…ゼロックスと対抗路線へ転換かの画像1富士フイルムホールディングス・古森重隆会長兼CEO(写真:つのだよしお/アフロ)

 アイルランドの製薬大手シャイアーを総額460億ポンド(約6.8兆円)で買収することを決めた武田薬品工業は、6月28日に株主総会を開いた。

 大型買収について株主総会の事前決議を義務づける定款変更が、株主提案によって議題とされ、どの程度の賛同が得られるかが注目された。

 この議案は、武田薬品のOBや株主ら130人でつくる「武田薬品の将来を考える会」に加わる株主12人が提案した。今後1兆円を超える企業買収をする場合、買収の目的や買収資金の調達方法などを説明し、株主総会で事前に決議することを義務づける内容で、提案理由についてはこう説明している。

「現在会社が交渉中のShire(シャイアー)社の買収案件は、対価総額が約7兆円と、その金額的規模と現在の武田薬品の財務状況から判断して、爾後、永続的に健全な会社経営を担保する上であまりにリスクが大きすぎる。また、現在公表されている買収方法では、その約55%を武田の新株発行で賄うとされているが、大量の新株発行によって配当原資である一株当たり利益の著しい希薄化を招き、機関投資家を含む既存株主に多大な不利益を生じさせる危険性がある。現に本買収検討が明らかになって以降、市場における武田の株価は急激に下落している。(中略)今後も同様のケースが発生する可能性があることから、買収手法を問わず、会社経営に際する取締役会の権限に一定の制限を付け、事前に株主の意向を反映させる手順が必要である」

 株主提案の定款の一部変更案(第6号議案)は賛成9.44%で否決された。

 一方、議案のひとつである取締役再任案(第3号議案)は、取締役8名全員が90%以上の賛成を得た。クリストフ・ウェバー社長兼CEO(最高経営責任者)の賛成率は91.41%だった。ウェバー氏の取締役再任の賛成率が90%を上回れば、事実上の信任とされてきたが、このハードルはクリアした。

 株主総会はシャイアー買収の前哨戦にすぎない。シャイアー買収のためには新株発行が必要で、その特別決議を得るために来年早々、臨時株主総会を開く。ここが巨額買収の是非を問う正念場となる。

 武田薬品の役員報酬1億円以上は退任者も含め、以下の4人。

【連結報酬総額】
クリストフ・ウェバー(社長兼CEO)…12億1700万円
ジェームス・キーホー(18年5月31日退任)…2億3700万円
アンドリュー・プランプ(武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル)…5億3600万円
本田信司(17年6月28日退任)…1億500万円
                 
 本田氏はウェバー氏が招聘されるまで長谷川閑史社長(当時)の後を継ぐ有力社長候補とみられていた。だが、ウェバー体制が整い昨年、退社。そして今年、日清食品ホールディングスに移り、6月27日付で常務執行役員CSO(グループ経営戦略責任者)に就いた。

BusinessJournal編集部

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