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「驚きの活躍」FIFAが認めた乾貴士…評価できなかった日本の未成熟な評価基準

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乾貴士(写真:AP/アフロ)

 2018 FIFA ワールドカップ(W杯)・ロシア大会が閉幕したが、同大会で“驚きの活躍をした5人”をFIFAが17日に発表した。そのなかに、日本代表の乾貴士が選ばれた。

 乾貴士は野洲高校時代、サッカー部監督の山本佳司氏の下で成長を遂げたが、どれだけ華麗なプレーを見せても、「ひ弱」という周囲の評価は、高3になっても収まらなかった。

「ずっと『乾は上手いけど……』と言われ続けた。それは私の耳にも入ってきていた。でも、それはあくまで乾というサッカー選手の本質を知らないから。ずっと見ていたら、そんな安い言葉で片付けられる選手ではない」(山本氏)

 山本氏は乾の才能を信じて、長所を伸ばすことに注力し続けた。

「高3になっても、やはりフィジカル負けをするシーンは多くありました。ウチの方針として、筋トレをバンバンやらせるチームではないので、対戦相手が自分たちよりもフィジカルレベルが高いということはザラでした。だからこそ『どうしないといけないかを考えろ』と常に言っていました。まともにぶつかったら跳ね返されるからこそ、相手の逆を取ってかわしたり、自分よりも足が速い相手だったら先に走り出して優位に立ったり、逆に相手を先に行かせて裏を取ったり、やはり駆け引きですよね。なかでも乾は駆け引きを教えれば、想像を上回るくらいに応用できる選手でした」(同)

 巷では、いろんなところで「日本人はフィジカルが弱いから俊敏性や技術で勝負」「組織力で勝負」と言い、「育成年代でも俊敏で技術がある選手を育てる」としている傾向はある。しかし、世界でそれを体現している日本人選手は少ないのが現状だ。乾はその数少ない選手のひとりといえる。

 彼は身長168cmで体重59kg。そしてがっちりしているタイプではない。前回記事でも紹介したが、FIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会最軽量選手だ。では、なぜ乾は典型的な“日本人体格”でありながら、今大会で突き抜けた活躍をあげることができたのか。その疑問を山本にぶつけると、こう答えた。

「やはり『駆け引き』を養うことが重要なんです。常に2つ以上の選択肢を持ってプレーし、その上で相手の逆を突く――。それは相手からすると『何をしてくるかわからない選手』となります。それを毎日の練習で培うのです。仲間に『何をしてくるかわからない選手』がいるからこそ、味方もそれを生かしていくようになります。乾は(中学生の頃に所属していた)セゾンFCと野洲高校で培った駆け引きのレベルが、ほかの選手より群を抜いて高かったからこそ、あれだけフィジカル差のある世界のディフェンダーを相手にしてもまったく問題なく通用しているのです。

 今回のW杯で、小柄な選手は駆け引きを鍛えれば、世界にも通用するということを目撃することができました。同時に、日本人選手がどれだけフィジカルを鍛えても、世界的に見たらフィジカルで劣るという構図は変わらないこともわかったと思います。もちろん、(フィジカルトレーニングが)まったく必要ないわけではなく、乾自身もフィジカルが必要だということは自分でも感じているし、そのレベルはどんどん上がっています。しかし、感覚や発想を高校時代から培っていて、それがベースにあるからこそ、フィジカルを自分なりにつけることで、その才能がより際立つのだと思います」(同)

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