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学生の6割が中国人の大学も…私大の4割が定員割れ、「倒産ラッシュ」の代わりに起きる事態

文=長井雄一朗/ライター
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経営が厳しい傾向にあるのは、主に小規模で大規模都市に設置されていない大学です」(同)

 また、今後は大学全般で人工知能(AI)などの専門的な教育が求められることが予想される。

「人気の教授を大学間でシェアするような動きが生まれつつあります。国立のケースですが、最近では名古屋大学と岐阜大学が運営法人の統合を発表しました。そうした流れが、私立大学にも波及する可能性があります」(同)

 同様に国立大学のケースだが、帯広畜産大学、北見工業大学、小樽商科大学の3校は22年4月を目標に経営統合を行い、国立大学法人「北海道連合大学機構(仮称)」の創設に向けて動き出した。

 少子化による学生数の減少や国からの運営費交付金の削減など、単科大学は特に厳しい経営環境にある。この3校は、専門分野の強みを生かした教育・研究の両面で連携を強める一方で、予算・人事管理などを一元化し経営の効率化を図るのが狙いだ。

「私立大学でも、同じ地域の大学が連携するケースが考えられます。学内施設などの共同利用などを想定すると、同じ地域の大学のほうが連携しやすいでしょう。経費削減だけでなく、大学連携によって人気分野の開設を売りにできる可能性もあります」(同)

 業種は異なるが、地方銀行は再編・統合で存続の道を探っている。同様に、「大学も合従連衡によって生き残りを図る可能性がある」というのが佐藤氏の見立てだ。しかし、大学は銀行と異なり教授や職員のリストラは難しい。そのため、提携で「組織の体を保つ」というのが現実的なのかもしれない。

生き残る私大の条件とは

 統合が進むとなれば、大学の倒産ラッシュが起きる可能性は低いということだろうか。

「過去10年で大学を経営する法人の倒産は6件発生しています。うち3件は民事再生法の適用で、大学自体は残っています。事業消滅型の倒産は3件です」(同)

 創造学園大学などを運営していた学校法人堀越学園は、13年6月に破産により事業消滅した。ただ、これは教職員への給与遅配や頻繁な理事長交代などの問題が以前から指摘されており、文部科学省から解散命令を受けていた特殊なケースだ。

「堀越学園は入学者数の減少に歯止めがかからず、資金繰りが悪化していた上に組織的な問題が生じていました。通常は、文科省の経営改善指導により経営計画を作成し、学部再編などのリストラで再建を目指します」(同)

 経営不振で民事再生法の適用に至ったケースとしては、山口福祉文化大学を運営する学校法人萩学園がある。

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