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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第14回 野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)

一橋大学・野中郁次郎名誉教授が語る、日産・トヨタ・ホンダ…巨大組織のマネジメントの真髄

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野中郁次郎(のなか・いくじろう)一橋大学名誉教授。1935年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。富士電機製造株式会社に勤務の後、カリフォルニア大学経営大学院バークレー校で経営博士号を取得。南山大学経営学部教授、防衛大学校教授、北陸先端科学技術大学院大学教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授などを歴任後、現職。

 AIやIoT、ビッグデータ、クラウドなどの先進技術が、世界中にすさまじいスピードで普及している。デジタル化、情報化、ネットワーク化によってビジネスのスピードは増し、従来の経営手法、開発手法では、対応できなくなっている。

 国内の電機産業や自動車産業が世界をリードし続けるには、組織の力が問われる。組織の力とはなんなのか。組織を動かすための本質は、どこにあるのか。
 
 一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏と、トヨタ自動車日産自動車、ホンダ、パナソニックなどの事例を起点に、巨大組織のマネジメントについて語った。

巨大組織のマネジメント


片山 日本経済の屋台骨を担う製造業、なかんずく自動車産業は今、世界的に激しい環境変化に見舞われています。世界の自動車市場の現状を見ると、いわゆる「CASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)」の大波に加え、中国市場は年間4000万台という未曽有の規模に育ちつつあり、アフリカ、インドなど新興国市場も拡大が見込まれます。

 トヨタは自動車産業においては独フォルクスワーゲンなどと世界一を争う、日本を代表する巨大メーカーですが、巨大ゆえにスピーディな方向転換は苦手です。急速な環境変化に対応できるのか。また、トヨタは中印アフリカなどの新興市場には、北米や東南アジアのような確固たる足場を持ちません。世界36万人の従業員を抱え、今後、年間販売1000万台を超えて成長を続けていけるのかという課題があります。

 数年前から、トヨタの幹部が「マツダに比べると、トヨタはゆるい」といっているのを聞くようになり、トヨタは難しいところにきていると感じるんです。組織が大きくなるほど、社員は危機感を持ちにくくなったり、現場とマネジメントの距離が開いたりする。

 さらに、もう一つの課題は、トヨタ社内における技術系の強さです。これも、オペレーション&マネジメントが難しい。例えば、初代プリウスの生みの親であるトヨタ会長の内山田竹志さんなどは、EV(電気自動車)に対していまだに懐疑的な発言をされたりします。

 トヨタ社長の豊田章男さんは、早くからコネクティッドカーやEVに取り組もうとしてきました。テスラのイーロン・マスク氏と一緒に、2010年以降、EV「LAV4」の開発もやった。でも、成功したとはいえません。技術者がテスラの風土に合わず、テスラとの提携は、結局、解消。トヨタは、EVの商品化で他メーカーに後れをとったといわれています。

 トヨタの技術者はプライドが高くて、必ずしもトップと同じ方向を向くとは限らない。これも、巨大組織の弊害の一つともいえます。そのあたりを、どうご覧になりますか。

一橋大学・野中郁次郎名誉教授が語る、日産・トヨタ・ホンダ…巨大組織のマネジメントの真髄のページです。ビジネスジャーナルは、連載、トヨタ自動車ホンダ日産自動車の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

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