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木村隆志「現代放送のミカタ」

『ハゲタカ』対極的なNHK版との違いと、その意味…71歳・和泉聖治の演出に賛否か

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木曜ドラマ『ハゲタカ』|テレビ朝日」より
 2007年にNHKで放送された作品のリメイクである以上、前作と比べられるのは承知の上だろう。それが、国内外のドラマ賞を受賞したほか視聴者からも絶賛を集めた作品なら、なおのこと。


 主人公の鷲津政彦を演じた大森南朋を筆頭に、柴田恭兵、松田龍平らの演技。大友啓史(『龍馬伝』、映画『るろうに剣心』)、井上剛(『あまちゃん』『トットてれび』)、堀切園健太郎(『七つの会議』『ロング・グッドバイ』)が手がけた演出。原作を大胆にアレンジした林宏司(『コード・ブルー』『スニッファー』)の脚本。すべてがハイレベルだっただけに、比較され、物足りなさを感じられるリスクは高い。

 それを承知で挑戦するのだから、テレビ朝日版『ハゲタカ』は、綾野剛が演じる新たな鷲津政彦が初回の最後に語っていた「覚悟」「戦い」のムードを感じさせる。

ダークヒーローの世直しエンタメ作


 初回冒頭のナレーションが、作品の方向性を物語っていた。

「その人(鷲津政彦)が言った。『この国は腐ってしまった。誇りを捨て、責任を放棄し、目先の利益ばかりを追い求めて大切な魂を失ってしまったのだ。だから自分がこの国を壊してやるんだ』と」

 これを聞いた瞬間、「鷲津がダークヒーローとなって日本の世直しをするエンタメ作にしよう」というテレビ朝日版の狙いが見えた。実際、鷲津が大蔵省をにらみつけながら「やっとだ。やっと始められる」、鬼怒川の苦境を見て「バブルの熱狂に過剰投資した結果、できたのは悪趣味なバブルホテルにゴルフ場。最悪だ。だが、我々なら街ごとつくり変えることができる」とつぶやくシーンが、それを物語っている。

 極めつけは、放漫経営で老舗料亭の債権をたらい回しにされ逆ギレした金田大作(六角精児)を叱責した鷲津のセリフ。

「我々を“ハゲタカ”と呼ぶのなら、自分が食い荒らされるだけの腐った肉だってことを自覚しろ。あんたに被害者ヅラする資格はない。銀行から甘い汁を吸って放漫経営を続けた結果がこのザマだ。バブル景気に浮かれ、銀行の過剰融資に溺れ、目先の利益に目がくらんだ。日本をここまで腐らせたのは、あんたのような無能な経営者だ」

 さらに、「終わりだ。もう何もかも……」と肩を落とす金田に、「何を言っているんです。あなたはまだ生きている」と1万円札を置いて「些少ですが、お車代です。ゆっくり休んでこれからのことを考えてください」と声をかけるシーンを続けた。

 視聴者が震え上がるほど冷酷でシビアだったNHK版と比べると、明らかに人情派なのだ。ちなみに、ホームページのトップには、鷲津の写真に添えられた「腐った金持ちども、待ってろよ。」のキャッチコピーがある。

 鷲津は「日本企業を買い叩くのは、日本を再生するためという大義を持つ」と共に、「無能な経営者たちに苦しめられてきた社員たちの代弁者たる存在」と言えるのではないか。

初回の実質的な主役は六角精児だった


 鷲津をダークヒーローに見立てたエンタメ作にした理由は、「NHK版との差別化である」と共に「不良債権や当事者の転落を描く物語は暗く重いものとなる」から。

 だから、鷲津の言動は良く言えば華があり、悪く言えば大げさ。「さぁ、ビジネスの時間だ」「(机を叩きながら)ゴー!」と部下を奮い立たせ、眉間にシワを寄せて策を練り、ホテルのラウンジで怒鳴り散らす。ハードボイルドな大森南朋の鷲津よりも、テレビ的なヒーロー像といえるだろう。

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