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すでに生ビール販売しているニューデイズ、セブンの中止騒動に便乗し「販売強化」の強かさ

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
すでに生ビール販売しているニューデイズ、セブンの中止騒動に便乗し「販売強化」の強かさの画像1NewDaysの店舗(「Wikipedia」より)

 セブン-イレブン・ジャパンは、7月17日から予定していた生ビールのテスト販売を中止した。

 コーヒーマシンを使ってコーヒーを提供する「セブンカフェ」と同じスタイルで、店頭のビールサーバーを使って生ビールのSサイズを100円、Mサイズを190円で提供するというもので、首都圏の数店舗で販売する予定だった。

 このテスト販売はあくまで需要動向などを知るためのものであったため、セブンは大々的には告知していなかった。しかし、13日ごろから一部店舗でビールサーバーが設置されるようになったのを来店客が見つけ、それを撮影した写真がSNSなどを通じてインターネット上で拡散。「セブンが生ビールを販売する」という情報が一気に広まってしまった。

「テスト販売する情報が事前にネットで広まってしまい、正確な需要動向の把握が困難になった」(セブン&アイ・ホールディングス広報)ため、中止することになったという。

 将来的な販売の可能性について尋ねたところ、「将来において販売する考えは、現段階ではない」との回答で、「延期」ではなく「中止」のようだ。生ビールの販売に対し、厳しい意見が各方面から上がっており、それらは同社にも届いている可能性は高い。なお、この件に関する消費者からの意見について、同社は詳細を明らかにしていない。

中止の理由は「飲酒運転防止」?

 中止となった一番の理由は、「飲酒運転の防止」だろう。セブンでは、缶ビールなどのアルコール飲料を販売しているが、基本的には持ち帰って飲むためで、飲酒運転を助長するとは考えにくい。一方、ビールサーバーでカップにて供給する生ビールは、基本的にはその場で飲むためといえ、飲酒運転を助長する可能性は低くない。

 道路交通法の第65条では「車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない」と定めている。これに違反した場合、「飲酒運転ほう助」の罪で厳しく処罰される。そのため、アルコールを購入した来店客が運転するおそれがあることを店側が知っていた場合、その事業者は罪に問われる可能性がある。

 店がアルコールを販売する場合、飲酒運転のほう助にならないように注意する必要がある。たとえば、居酒屋では店員が来店客に対してアルコールを提供する前に、運転する人がいるかどうか尋ねることがある。こういった具体的なオペレーションを確立していれば、仮にお客が飲酒運転で事故を起こしたとしても、店としては運転しないことを事前に確認しているので、飲酒のほう助には当たらないと主張することができる。

 当然、セブンでも同様の取り組みをする予定だったと考えられる。ただ、全国にある2万店で徹底することは難しい。たとえ、お客への質問などを徹底できたとしても、セブンが販売する生ビールを飲んだお客が飲酒運転による事故を起こした場合、「すぐに飲める状態で生ビールを提供していたのだから、セブンが飲酒運転を助長した」といった世論が巻き起こり、非難される可能性は高い。

 こうなった場合、セブンが被る損失は計り知れない。生ビールの販売で得られる収益では、とても穴埋めはできないだろう。そのため、テスト販売するまでもなく販売中止に踏み切ったか、そのことを問題視する意見が多数寄せられたため中止に追い込まれたと考えられる。

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