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女子大生強姦・殺人事件、フィリピン人男性に無期懲役…警察、13年目の執念の逮捕劇

文=田村建雄/ジャーナリスト
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・遺体状況

 頸部、肩、胸にかけて深い傷。一部は心臓内に達する傷もあった。死因は絞殺による窒息死。死亡推定時刻は前日の午前0時から同2時。死体遺棄現場付近に黒っぽいジャージズボンが放置。車で現場まで運ばれ遺棄の可能性。死体に複数の人間のDNA遺留物。犯行はグループか。

・被害者行動

 元彼氏の男性とHさんのアパート部屋で飲食。30日午後9時以降。男性うたたね。男性が起きると書き置きがあり、そこには「ちょっと散歩に行く」と走り書き。携帯、財布、眼鏡、コンタクトレンズなど部屋に残す。自転車で外出か。

 当時はHさんの行動が謎を呼んだ。携帯電話も財布も持たず、しかも視力0.1のHさんがコンタクトも付けず深夜0時すぎ自転車で出かけたことだ。なんのために、その行き先は。

 Hさんはトライアスロン部のマネージャーを務め、明るく陽気。そして活発で社交的。捜査関係者は当時をこう振り返る。

「事件は交友関係を当たっていけば早期解決かと思われた。しかし交友関係は次々にシロ。しかも捜査が進めば進むほど被害者はしっかりした学生で、人に恨まれる節もない。そのため捜査陣の間では徐々に『流し犯行説』が強くなり長期戦の赴きになった。外国人説などは出なかった」

 私も学校関係者や友人、バイト先にあたったが「とても犯罪に巻き込まれるようなタイプではない真面目な女学生像」のみが浮上するばかり。

 捜査当局も捜査員延べ3万5000人を投じて、事情を聴いた人数は延べ約1万人も及んだ。しかし、いずれも犯人に結び付く決定的なものは得られず事件は迷宮入りの様相も帯びてきていた。

 しかし、表の「迷宮入り」様相とは異なり、水面下では着々と、まさに「執念」の捜査が進められていた。2010年の重大犯罪の時効廃止とともに、翌11年には未解決事件専従班が設けられ、地道な捜査が続けられていた。捜査関係者は語る。

「その専従班に、事件をほのめかしていた外国人たちがいたという情報がもたらされた。その情報を追跡すると、当時岐阜県に暮らしていたランパノが浮上したのです」

犯罪の悪質さ際立つ

 捜査員が情報に基づき、ランパノらの当時の行動を追った。すると、ランパノは当時事件発生地近くの土浦市に在住していて死体遺棄現場、美浦村の電気関連工場で働いていたことが判明。さらに当時ランパノにフィリピン人の仲間2人がいたこともわかってきた。しかも仲間のひとりはHさんと目と鼻の先のアパートに住んでいた。

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