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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

ダメ上司だった私だから知っている、部下にやってはいけないことリスト

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「Gettyimages」より

プレーヤーの壁とリーダーの壁


 管理職として部下を育成する立場になると、多くの人が「部下が思うように動いてくれない」「指示したことしかやらない」「何度も同じことを言わせる」などの悩みを抱えます。それはなぜか。

 リーダーになる人は、たいてい現場のプレーヤーとしては優秀だった人でしょう。本人にとって、プレーヤーとして能力を発揮するのはそう難しいことではなかったはずです。プレーヤーとして現場の最前線にいるときは、目の前の仕事に集中していればよく、会社からも「自分の強みを伸ばす」ことが求められます。強みを伸ばすだけなら、さほど難しいことではありません。得意なことをやっていればいいので、精神的にもがき苦しむという場面はそう多くないでしょう。

 しかしリーダーになると、今まで認識しなかった「自分の弱みと向き合う」ことを強いられます。自分とは異なる人間を動かし、それが思いどおりにならないという「リーダーの壁」に気づかされます。そしてその壁は、多くの人にとって高く分厚く、乗り越えるのにも時間がかかります。命令や懐柔だけで人が動くわけではない。かといって自分のプレーヤー時代の経験がそのまま使えるわけでもない。プレーヤーとリーダーでは、求められる能力が違うからです。

リーダーの壁での苦悩が器を広げる


『私が「ダメ上司」だった33の理由』(午堂登紀雄/日本実業出版社)
 そのときリーダーは、自分の許容力の低さ、感受性のなさ、謙虚さのなさ、忍耐力のなさなど、自分の弱みに気づきます。しかし、リーダーとして価値を発揮するには、それらと向き合い、受け入れ、自己修正する必要性があります。この過程は不可欠であるともいえます。

 優秀なリーダーほど、発想が柔軟で好奇心があり、一方で情緒は安定し落ち着きと威厳があるように見えるのは、乗り越える過程で「人間としての器」が大きくなっていくからです。そのため、リーダーとしての壁に直面し悩み、克服しようとすることは、その後のキャリアの伸びしろや選択肢を考えると、とても大きな意味があります。見方を変えれば、人間としての幅を広げるのに、職業人としてこれほど鍛えられる場はないともいえるでしょう。だからこそ、ここを乗り越えると人として大きく成長するわけです。

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