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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

日本、全世界の食糧援助量の2倍を1年間で廃棄

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農薬や化学肥料を使わない食料を

 そのうちのひとつが、食料を生産するために使用している、農薬や化学肥料です。どんなことをしても、避けることができない変化、変動はあります。しかし、せめて避けられることは避けるというのが、賢明な者のするべきことではないでしょうか。

 筆者は、それが自分たちの食べるものを可能な限りオーガニックにしていくことだと確信します。

 また、過度な肉食をやめるべきだとも思っています。食肉生産のために使われている穀物の量は膨大です。そして、過度な肉食をすることは、非常に非効率な食生活の典型です。牧場をつくるために熱帯雨林がどんどん伐採されていますが、これは地球環境の悪化を招く大変大きな要因です。飼われている牛たちは、本来食べるはずのない穀物飼料を食べるため、胃の中でメタンガスをつくり出し、それをゲップとして吐き出します。そのメタンガスは、二酸化炭素の25倍の地球温暖化係数を持つといわれていて、非常に影響が大きい温室効果をもたらしています。

 そして、安価な植物性油脂を生産するために、熱帯雨林を伐採してプラントをつくることも、地球環境悪化に拍車をかけています。その植物性油脂はマーガリンやショートニングの原材料となり、ファストフードの揚げ油などにも使われています。

 過度な農薬散布や化学肥料の使用が、地球上のあらゆる地域での砂漠化を招いています。それもまた、地球の温暖化を進めています。

 私たちが、そんなことをしてまで食料を確保しなければならない理由はありません。実際に私たちは世界的規模で、生産された食料の3分の1を廃棄していますが、それをやめさえすれば、必要な食料が確保されるだけでなく、大量の備蓄だってできます。いざ世界的規模で気象変動が起き、食料生産がままならなくなった時も、その備蓄である程度までは生き延びることが可能なのです。そのカギは、私たちが何を食べるかということなのです。

 超高齢化社会を迎え、人口減少が激しく進む私たちの国、日本は、年間約1700万トンから2000万トンもの食品廃棄物を出しています。そして、そのうちの約800万トンは可食部分、つまり食べられるのに捨てているのです。全世界の食料援助は、合計400万トンにも満たないというのに、日本だけでその倍もの量の可食部分の食品廃棄をしている。なぜそんな食生活をし続けているのでしょうか、そんな食生活をしなければならない理由があるのでしょうか――。

 あげつらえばきりがありませんが、筆者が言いたいのは、私たちは自分たちの食生活を見直すべき時に来ており、それを自覚しましょうということです。これまでのような工業製品的加工食品に依存し、ファストフードなどの間違った食生活を続けることは、自分にも、家族にも、そして地球環境にとっても、大変ネガティブなものです。

 私たちの体は、自然がつくったものを受け入れるようにできています。化学物質は私たちの栄養素にはなりません。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

●南清貴(みなみ・きよたか)
フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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