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「ロープライス」が売りの西友、調査したら「他スーパーのほうが安い」ことが判明

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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 10品目のうち、西友のほうが安かった商品は2品目、オーケーのほうが安かったのは8品目だった。そのうち10円以上の価格差があったのは7品目だった。また、もっとも価格差があったのは日本ハム「シャウエッセン 381g」で、オーケーのほうが20円安かった。

 調査した限り、オーケーのほうが圧倒的に安い。これら以外も、全体的にオーケーのほうが安い印象だった。ちなみに、オーケーではカード会員には表示価格から約3%が割引になるサービスがあるので、カード会員は先に挙げた価格よりもさらに安値で買うことができる。

 これはオーケーの企業努力を褒めるべきなのかもしれない。ただ、いずれにしても西友の価格競争力が高いとは決して言えないのではないだろうか。

西友の高コスト体質

 西友がそれほど安くはないのは、高コスト体質から抜け出せなかったためだ。もちろん、これまでただ手をこまねいていたわけではない。

 西友はウォルマートと提携してから、コスト削減を目的としたリストラを断行した。04年に正社員を中心に希望退職者を募り、人件費の安いパートの割合を増やして人件費の削減を図った。07年にも希望退職者を募り、08年には不振の約20店の閉鎖とさらなる希望退職者の募集を打ち出し、徹底したコスト削減策を実行した。

 最先端のシステムを導入した業務の効率化も行っている。発注や在庫確認などが行える「スマートシステム」や、取引先と販売・在庫情報を共有できる「リテールリンク」の導入を推し進めた。

 06年には埼玉県三郷市に三郷物流センターを開設し、首都圏に多く店舗を持つ西友の重要物流拠点とした。これに伴い物流拠点の集約を行い、物流の効率化も図っている。

 ほかの面でもウォルマートの効率化手法を積極的に取り入れており、ウォルマート流で高コスト体質からの脱却を図った。こうした一連の改革で、“それなり”の成果を出すことはできた。ただ、ウォルマート流の改革は完全には根づかなかったため、抜本的な改善には至らず持続的なローコストを実現することはできなかった。競合でも同様の施策を行うところがあり、西友だけが抜きん出ることはなかった。

 たとえば、西友と同じくEDLPを採用しているオーケーは、ローコスト体質を実現するために徹底したコスト削減策を実施している。商品の仕入れでは商品数の絞り込みを行い、1商品当たりの仕入れ量を増やすことで、安値で仕入れることに成功している。レジ袋は「1枚6円」と他店に比べて高い価格に設定し、レジ袋にかかる経費をまかなえるようにしている。ほかにもさまざまな工夫をこらしてコストを抑える努力をしており、それにより低価格を実現することに成功している。

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