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某企業、夫を亡くした69歳女性に金融商品を押し売り→1600万円の損害与える

文=林美保子/フリーライター
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「判決は高裁のものですから影響力は強く、業者としては無視し得ないと思います。今後は開き直って商売を続けるか、何か工夫をこらしてくるかは、まだわかりません」(荒井弁護士)

 HPにはさらに「類似商品、類似業者にご注意ください」とか、「金関連の特殊詐欺が報告されているので十分ご注意ください」などの注意書きがあり、知らない人が見ればまっとうな会社だと勘違いしそうだ。 

投資か投資詐欺かは「見抜けない」と心得よ

 詐欺や詐欺まがい商法は、人が興味を引きそうな何か新しいものをまとわせることが多い。最近増えているのが、仮想通貨のまがい商法だ。今年に入り、仮想通貨の不正流出が問題になったが、それでも仮想通貨の人気は衰えを知らない。悪徳業者は、そこに目をつけるのだ。

「高配当プログラムを謳ったものや、マルチ商法みたいなもの、金(きん)と交換できるというものなど、いろいろですね」(同)

 荒井弁護士は取材などで「投資か、投資を装った詐欺かはどうすれば見分けられますか?」という質問をよく受ける。そんなときには、「あなたにわかるはずがないし、わからないということをわかってください」と答えている。

「それほどの情報を持っていない一般の人が、『そのリスクはどこにあって、どの程度なのか』『リスクが顕現化したときにはどういう損失が生じるのか』『詐欺じゃないのか』などということは判断できないんです。だから、世間では『貯蓄から投資へ』と盛んに煽るけれども、まっとうだといわれている投資商品だって、相当のリスクがある」(同)

 それでは、詐欺や詐欺まがいの商品にひっかかってしまった場合、勝訴を勝ち取るポイントは何なのだろうか。

「金融取引をめぐる訴訟というのは、いろいろな事情が総合的に判断されます。だから、違法性の決め手はコレという性質のものではない。被害者の属性――資産、収入、学歴、職歴、投資経験、現時点の判断力の状況など――、そして買わされた商品のリスクと複雑さの程度に応じた説明をしているのかどうかなどを全体的に考察するのです。たとえば、東大卒で金融機関にずっと勤めていた人が『業者の説明が足りなかったから騙された』と言っても、勝つ見込みは少ないかもしれない。つまり、その人にふさわしい商品なのか、業者は客の理解能力に応じた商品説明をしているのかということですね」(同)

 もしだまされたと気づいたときには、あきらめないことが重要である。
(文=林美保子/フリーライター)

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