入居者を軽視するレオパレス21

 レオパレス21が管理する物件のセールスポイントには、入居者がすぐに生活を始められるように、家具・家電付きの物件を数多く用意していることや、家賃に「水道光熱費」が含まれていることがある。

 ホテルや宿舎、社員寮といった宿泊施設の運営などでも、エアコンやテレビなどの「消し忘れ防止」は、ひとつの課題となっている。ホテルなどでは、鍵で電気のスイッチをコントロールしているが、その設備の導入費は高い。

 予算の関係でそうした高額な設備は導入できないアパートでは、せめてエアコンの消し忘れや不要な動作を、リモコンによって強制的に停止させることにしたのだと考えられる。運営者側にとって都合がいいのは間違いない。

 しかし、今回のエアコンの件も、これまで同様、同社の入居者軽視の姿勢が感じられる。所定の賃料を支払った入居者に対して、水道光熱費の負担は同社もしくはオーナーが負担しているとしても、生活設備に制限を付けることはいかがなものだろうか。すぐにスイッチは入れられるものの、猛暑や極寒の時などで、夜中にエアコンが切れるという不便を想像できなかったのだろうか。
 
 また、違和感があるのは、今回の対応も同社が15年4月からエアコンのタイマー設定を採用しなくなったのであれば、なぜそのころから順次、同タイプのエアコンを設置している物件の入居者へ告知し、交換などの対応をしてこなかったのかという点だ。3年前からそうした対象の入居者になんらかの対策をしていれば、これほどまで大きな話題にはならなかったのではないだろうか。

 結局のところ、この件に同社の入居者に対する意識が表れているといえるだろう。これでまた同社の物件イメージが少なからず傷ついたのではないか。そして、今回のように入居者が困り、そのイメージで入居者が減れば、その先で困るのはやはり不動産オーナーだ。同社には、入居者も不動産オーナーも本当の意味では見えていないのかもしれない。一見、これまでの同社の問題に比べて、今回はエアコンが停止するという小さな問題のように思えるが、根底にある問題は同じで根深い。
(文=小林紘士/不動産ジャーナリスト)

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