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山根明元会長に学ぶ、ミス時のダメージを最小限に抑えるための「普段のファッション」

文=石徹白未亜/ライター
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芝居がかった山根発言に見る「プレゼン力」

 8日には、山根氏を告発した日本ボクシングを再興する会の記者会見も開かれた。「問題の発覚から今回の発表まで、ずいぶん時間がかかったように思える」という質問にもごまかさずに回答するなど、冷静な怒りが伝わる良い会見だったと思う。しかし、話すというよりは事前に用意した原稿を「読んでいる」ケースも見られた。

 確かに間違えられない状況であり、さらに「記者会見に出る」という経験など、一般の人間にとってはまずない。たくさんのフラッシュが光るなかでカンペなしでは不安になる気持ちは、よくわかる。

 しかし、「ものすごくいい内容のカンペを読む」のと「内容はないが、情感を込めてしゃべる」のでは、時として後者のほうが聞き手に強い印象を残すこともある。発言内容はあきれるほど無責任で無茶苦茶だが存在感は抜群の山根氏などは、まさに後者の典型だ。

 以前、外国人による英語のプレゼンを聞いたことがある。内容は「ちょっと何言ってるかわかんない」だったが、その「顔芸」はかなり激しく、刺さるようなアイコンタクトや情感にあふれた語り口、ふんだんな間の取り方に「わからないのに、言いたいことはなんとなく伝わる」という不思議な体験をした。当然、話者はカンペを使っていなかった。日本ボクシングを再興する会の会見でも、最後のメッセージだけはカンペに頼らず、まっすぐ前を見据えて伝えれば、再興の強い意志がより伝わったのではないだろうか。

 一般のビジネスパーソンにとって、記者会見をする機会は皆無だろうが、プレゼンを行うような機会はあるはずだ。しかし、パワーポイントなどでつくった文字だらけの資料をボソボソ朗読するだけの“クソプレゼン”をしている人は非常に多い。

 プレゼンをする以上、「読む」のではいけない。それなら、資料を配布すればいいからだ。ただし、「聴衆の心を動かすプレゼンをする」のは、多くの日本人にとって、とてつもなく高いハードルだろう。そういう教育を受けたり実践をしたりする機会がないまま社会に出る人がほとんどだからだ。

 そういった意味でも、山根氏の語り口は異質のものであった。もちろん、発言内容は選手に対する配慮や良心が抜け落ちていて、まったく共感できない。さらに、「山根明が~」と一人称をフルネームにすることに代表される芝居がかった言動は、日常生活では胡散臭さが鼻につく。しかし、プレゼンの場では、山根氏のような芝居がかった振る舞いは、むしろプラスに働くこともある。

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