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三浦展「繁華街の昔を歩く」

キャリア女性のHさんは、ストリップとカラオケスナックが大好きだ…一夜同行したら最高だった

文=三浦展/カルチャースタディーズ研究所代表
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キャリア女性のHさんは、ストリップとカラオケスナックが大好きだ…一夜同行したら最高だったの画像1スナック街を歩く

 私のまわりには遊郭好きな女性が何人かいる。そのなかでもディープにはまっているHさんにインタビューし、昨年別のメディアに原稿を書いたことがある。

 Hさんは、東京の会社に勤めるキャリア女性。大学で日本文学を学び、そこで樋口一葉や吉原に関心を持った。課題のレポートで遊郭建築について書いたこともある。数年前、誰かが書いたツイッターで飛田新地を知る。料亭の写真に惹かれ、それがきっかけで自分で全国の遊郭跡を回るようになった。

 遊郭の魅力は「独特な建物に興奮します。窓やタイルもかわいい。見れば見るほど好きなところが増えます。そこにいる人にとっては日常でも自分にとっては非日常な空間。タイムスリップできる感覚も好き。飲み屋街や酒場が好きなので盛り場となっている遊廓跡を訪ねるのも楽しいです」という。

 そのHさんが今また別の趣味に目覚めた。ストリップである。広島の遊郭跡を訪ねたとき、遊郭以外にも古くて廃れた建物に惹かれて、いろいろ調べ歩いているうちに、市内のストリップ小屋を見つけて、吸い込まれるように中に入った。もちろん初めてだ。

 ピンクのライトに照らされて光る踊り子の汗にぐっときた。自分より少し年上のある踊り子に魅力を感じた。自分もこういうふうになりたいと思った。かわいくて、色気があって、女らしい。

「女性礼賛のような気持ちというか、女性ってきれいでかわいくて最高、女に生まれて良かった! というような気持ちになった」

 Hさんは往年の大女優、若尾文子(あやこ)のファンでもあるが、女としての自分の魅力をちゃんと知っていることへの憧れという点では、踊り子への気持ちと若尾さんへの気持ちが共通しているかもしれないと彼女は言う。

いざ、川崎

 酒場と遊郭とストリップに目覚めた彼女を取材するため、私は彼女と川崎のストリップ小屋に同行した。広島で好きになった踊り子が出演するというのだ。
 
 川崎駅の改札で待ち合わせた。川崎に来るのは3回目で、いずれもストリップを見るためだという。いきなり小屋では無粋なので、駅近くの飲み屋街を歩いた。まだ開店していなかったが、昭和歌謡の世界がそこにあった。

キャリア女性のHさんは、ストリップとカラオケスナックが大好きだ…一夜同行したら最高だったの画像2
キャリア女性のHさんは、ストリップとカラオケスナックが大好きだ…一夜同行したら最高だったの画像3川崎駅近くの昔ながらの飲食店街

 それからいかにも昭和の大衆酒場という店で夕食をとった。酒場とはいえ、普通の町中華のようにラーメン、チャーハン、各種定食も揃う。食堂であり酒場だ。冷やしトマトやたこぶつをつまみに、ビールとレモンハイを飲む。最後に彼女は「オムライスを頼んでいいですか」というので、頼んでみた。これがうまい! 

 量は多いが、甘めの味付けで飽きない。さすが、かつての京浜工業地帯の労働者の街。彼らの旺盛な食欲を満たしてきた食堂なのだということがわかる。

三浦展/カルチャースタディーズ研究所代表

三浦展/カルチャースタディーズ研究所代表

82年 一橋大学社会学部卒業。(株)パルコ入社。マーケティング情報誌『アクロス』編集室勤務。
86年 同誌編集長。
90年 三菱総合研究所入社。
99年 「カルチャースタディーズ研究所」設立。
消費社会、家族、若者、階層、都市などの研究を踏まえ、新しい時代を予測し、社会デザインを提案している。
著書に、80万部のベストセラー『下流社会』のほか、主著として『第四の消費』『家族と幸福の戦後史』『ファスト風土化する日本』がある。
その他、近著として『データでわかる2030年の日本』『日本人はこれから何を買うのか?』『東京は郊外から消えていく!』『富裕層の財布』『日本の地価が3分の1になる!』『東京郊外の生存競争が始まった』『中高年シングルが日本を動かす』など多数。
カルチャースタディーズ研究所

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